<陳述書(解説)>

 平成14年11月、全国紙5社の系列の新聞卸売会社5社を相手取って、独占禁止法違反の共同取引拒絶行為を差し止めることを求める差止請求訴訟が起こされました。原告は、エアポートプレスサービス株式会社(略称・APS社)という、関西国際空港エリアで新聞・雑誌の販売などをおこなっている会社で、被告は、朝日・毎日・讀賣・産経・日経という全国紙5社の系列の在阪卸売会社5社および彼らが関空エリアにおける共同販売会社として設立した関西国際空港新聞販売株式会社(略称・関空販社)です。
 APS社は、関西国際空港開港の4年前に、関空エリアにおける新聞・雑誌の販売などを目的に設立された会社で、全国紙発行5社の在阪本社の協力の下に、新聞の供給をおこなっていました。ところが、開港が近づいてくると、発行5社とそれぞれの系列の卸売会社5社とが談合し、関空販社を設立、この会社を関空エリアにおける新聞販売の唯一の窓口にするとして、それまでおこなわれていたAPS社との取引を拒絶してきたのです。それによってAPS社は経営困難に陥りました。
  平成12年に改正された独占禁止法では、このように、おたがいに競争関係にあるいくつかの会社から共同で取引を拒絶された者は、それによって著しい損害を受けた場合には、そうした行為の差止を請求できる、と定めています。この裁判は、この規定に基づいて起こされたものです。
  以下に収録した文書は、この裁判の控訴審――大阪高等裁判所で審理中――において、APS社の前代表取締役社長が提出した陳述書です。この陳述書は、APS社設立以来現在に至る、15年間に及ぶ全国紙5社との闘いの経緯を赤裸々に述べたもので、それを通じて、大新聞社の販売網がどんなに独占的で権力的な支配の下にあり、どのようなテリトリーと権益の分配体制ができあがっているのか、を暴露するものになっています。
  なお、この事件について詳しいことは、インターネット上の大阪ジャーナルのホームページhttp://www.osakajournal.co.jp/aps/index.htmlをご覧ください。このホームページ上には、事件のあらまし、この事件についての報道・評論、裁判の訴状や準備書面、取り上げられた証拠などの基本資料が公開されています。ご参照ください。

平成17年4月