平成16年(ネ)第2179号 独占禁止法違反行為に対する差止請求訴訟事件
控訴人   エアポートプレスサービス株式会社
被控訴人  株式会社近販 外5名

準 備 書 面 (1)

平成17年3月16日

大阪高等裁判所第2民事部4係  御中

                                      被控訴人株式会社近販訴訟代理人

                                              弁護士    高  木  茂 太 市

                                               同     里  井  義  昇

                                               同     宮  武  泰  暁

                                               同     森  岡  真  一



 控訴人は、平成17年2月8日付準備書面(2)において、本件差止請求の要件たる「著しい損害を生じ、又は生ずるおそれがあるとき」に関して、なおも、(1)「供給の閉塞による市場退去の危険」の存在や或いは(2)「著しい」を「もっぱら金銭上の側面で認定した」として、原判決の誤りを指摘しようとする。

  しかしながら、「供給の閉塞による市場退去の危険」との点については、既に被控訴人近販においても指摘したとおり、「原告(控訴人)において、『被告(被控訴人)近販から全国紙(毎日新聞)を仕入れることができなくとも』、被告(被控訴人)近販から全国紙を仕入れる他の即売業者から全国紙を容易に仕入れることは可能であって、何よりも、原告(控訴人)自ら、訴外株式会社なんばミヤタから、現に、全国紙を仕入れていることを認めている」[被告(被控訴人)近販平成16年3月3日付準備書面(6)1頁]のであって、控訴人は、単に、極めて抽象的な可能性のみを根拠に、「そのおそれがある。」と結論つけているにすぎない。
 なお、控訴人は、平成8年12月25日付公正取引委員会からの通知書[甲第5号証]や相被控訴人の一部の当時の代理人名義と思われる書面[甲第36号証及び第37号証]の記載についても指摘するが、前者の「注意」とは、独占禁止法違反行為の存在が認められなかったことを前提として、行われた行政指導にすぎないし、校舎については、相被控訴人から既に明快な反論等があったものと思われるが、甲第36号証等を確認するも、控訴人において、各記載を、自己に都合よく、曲解し、引用したものでしかない。

  また、現判決の判断の誤りを指摘する部分についても、控訴人は「『著しい』をもっぱら金銭上の側面で認定した原判決の誤り」や「『著しい損害』の認定を充足すべき実質的要件」等々、控訴人独自の見解を縷々主張しているにすぎず、原判決が、「『著しい損害』を要件とする規定の趣旨等に照らせば、前記イのように既に市場に参入し5パーセントとはいえマージンを得ている原告(控訴人)が単に共同取引拒絶がなければより大きな利益を上げることできたというだけでは、差し止めを認めるに足りる『著しい損害』に当たるとはいえないというべきである。」[原判決19頁下から6行目以下]と判示する部分や「もっとも、本件全証拠によっても、本件各取引拒絶がなければ原告(控訴人)が空港島において少なくとも50パーセントのシェアを占めることができたはずであるという事実自体認められない。」[原判決20頁上から8行目以下]との部分に対しては、何ら客観的な根拠等に基づくこともなく、「誤っている。」等とのみ、一方的に論難しているにすぎない。
 さらに、「損害賠償の基礎となるシェアについて」や「損害賠償請求額(逸失利益額)」に示される「2社しか詩文の販売を扱っていなかったのであるから、シェア50%をとれていたというのは、仮定とはいえ、妥当なものである。」「大企業であるANAに納入できている事実からいっても根拠のない仮定ではない。」との主張に至っては、控訴人の希望的な意見、空論としか評し得ないものである。

  かように、控訴人主張は、原判決に対する誤った理解に基づき、独自の主張を展開しているにすぎず、およそ理由が認められる余地はない。

以上