平成16年(ネ)第2179号 独禁法違反行為に対する差止請求控訴事件
控訴人(1審原告)  エアポートプレスサービス株式会社
被控訴人(1審被告) 株式会社新販 外5名


平成17年3月9日

大阪高等裁判所第2民事部4係  御 中 

被控訴人株式会社新販訴訟代理人      

弁 護 士       魚 住 泰 宏 

弁 護 士       長 澤 哲 也 

弁 護 士       浅 田 和 之 

第 1 準 備 書 面

  御庁頭書事件につき,被控訴人新販は,控訴人の平成17年2月8日付準備書面(2)に対し,以下のとおり,口頭弁論を準備する。なお,固有名詞等の略称については,特段の断りがない限り原判決の記載と同様である。

なんばミヤタによる供給停止の可能性と「著しい損害」について
  控訴人は,なんばミヤタが被控訴人新販から圧力を受けていつでも控訴人に対する全国紙の供給を停止することが可能であると主張するようである。そして,なんばミヤタが控訴人に対して全国紙の供給を現在も継続しているのは,本件訴訟の係属中に供給を停止すれば控訴人の市場からの退出が顕在化するためであるから,控訴人は現状では「市場からの退出を余儀なくされて」いなくとも「そのおそれがある」ため,現時点においても「著しい損害」が認められると主張する。
 しかし,仮に,本件訴訟終了後になんばミヤタが(被控訴人新販の圧力を受けて)控訴人への全国紙の供給を停止しようとしたとしても,それが独占禁止法違反でありかつ控訴人に「著しい損害」が生じるといえるのならば,その時点で,控訴人は当該供給停止の差止めを求める仮処分を提起すれば救済されるはずである。
 何度も述べるとおり(かつ控訴人も認めるとおり),控訴人は,現に,なんばミヤタから全国紙を仕入れて空港島において販売しており,また,なんばミヤタからの仕入れ及び空港島での販売について,現在,被控訴人らから何らの制約も受けていない。なんばミヤタが控訴人に対して全国紙の供給を停止したか又は停止することが差し迫っているわけではないにもかかわらず,単に「なんばミヤタはいつでも控訴人に対する全国紙の供給を中止することが可能である」というだけで差止めを認めることは,「著しい損害」の要件を形骸化するものであり,同要件が加えられた立法趣旨を没却するものであって,現行法上,到底許されるものではない。
  なお,被控訴人新販によるなんばミヤタの議決権保有割合が40パーセントであることは控訴人主張のとおりであるが,残りの60パーセントについては,なんばミヤタの代表取締役宮田伸をはじめ同社関係者が確保している。
  また,控訴人は,平成6年当時の被控訴人ら代理人間での内部文書(甲36,37号証)を引用するが,それは「著しい損害」の要件の存否とは全く無意味である。むしろ,甲37号証よれば,卸売5社は,平成6年6月30日ころの時点で,「発行本社,各卸売会社は個別かつ自主的にA.P.Sとの取引を決定」しなければならないことを弁護士から助言を受けていたことが推認される。その後,被控訴人新販は,本件訴訟係属中の平成15年5月6日になって控訴人から取引の申込みを受けたが,あくまで独自の判断に基づいてそれを断っている。

以上