準 備 書 面 (1)


第1 裁判所の求釈明に対する釈明
第2 被告らの答弁書に対する反論



平成14年(ワ)第11188号独禁法違反行為に対する差止請求事件
原 告  エアポートプレスサービス株式会社                                           
被 告  関西国際空港新聞販売株式会社 外5名

 準 備 書 面 (1)

平成15年2月8日


大阪地方裁判所第4民事部合議A係 御中

                      原告訴訟代理人  弁護士  池   上        徹
                           同     弁護士  岡   野   英   雄                  
                           同     弁護士  布   施        裕
                           同     弁護士  宮   永   堯   史               
                           同     弁護士  宮   野   皓   次

第 1  裁判所の求釈明に対する釈明

卸売5社の取引拒絶と関空販社の販売行為について

  請求原因中「・本訴の概要」でも述べたとおり,被告ら卸売5社は,被告関空販社を空港島における全国紙5紙の唯一の一手取扱業者たらしめる方法によって,空港島の全国紙の取引を事実上被告関空販社に独占させた。この独占の利益は,関空販社の共同設立者である卸売5社に還流する。関空販社による取引は,会社の設立の趣旨・役員構成・運営の実情に照らし,卸売5社の取引と同一視すべきものといってよい。
  そのために,原告APS社は商品たる全国紙5紙を被告ら各社から仕入販売する途を閉ざされた。原告はかかる行為は全体として不公正な取引方法であると主張する。これは被告ら6社が原告に対して共同して取引拒絶をなしたものである。
 

  しかして,その拒絶の態様は,被告卸売5社が単純に共同して原告に卸売を断るというものではなく,空港島では5社各社とも被告関空販社を通じてのみ取引をなし,関空販社は空港島での販売市場独占の利益を収めるというものである。これは,ほかならぬ関空販社の存在と協働によって不公正な違反行為の実効性が確保されるという手の込んだものである。
  不公正な取引方法の実態をふまえ,請求の趣旨にどのような実効性のある差止の主文表現を与えることができるかは,すでに,その困難性が指摘されているところである(日弁連消費者問題対策委員会編,独禁法活用の手引,民事法研究会79頁)。

  本件においては,事案の実情に即して,被告らの不公正な取引方法を停廃し,防止するべく,卸売行為の中止(卸売5社),販売行為の中止(関空販社)を組み合わせて請求の趣旨に持ち込んだものである。

  本件の共同取引拒絶は,関空販社の存在と販売を前提としてのみ,共同取引拒絶としての実効が確保され,空港島での独占が奏効する次第である。

関空販社の不公正取引への加功
  被告関空販社は,被告卸売5社による共同取引拒絶のために設立された会社であり,不公正な取引方法に加功した共同不法行為者であることは,上述(1・・・)のとおりである。不公正取引の実効性は,関空販社の存在と協働を介して確保されている。
  よって関空販社は,独禁法24条の規定による同法19条の不公正な取引方法により原告の利益を侵害した事業者にほかならない。

卸売5社の独禁法19条違反
  卸売5社の上述(1・・・)の行為は,不公正な取引方法であり,独禁法24条の規定による同法19条違反である。
  卸売5社は,その共同設立した関空販社に空港島における全国紙の取引市場を独占させるべく,共同して,原告に対し,空港島では関空販社以外とは取引しないと卸売を拒絶した。
  卸売5社の行為は,不公正な取引方法について公取委が指定しているいわゆる一般指定の1項(共同取引拒絶)に該当するものと思料する。

卸売5社の原告APS社に対する取引拒絶

  原告会社は,平成6年(1994年)1月28日付の書状により,卸売5社に対し,正式に,全国紙5紙の卸売取引を申し込んだが,卸売5社は,いずれも空港島においては関空販社を通じて取引すると回答し,原告会社の申込みを拒絶した。この関係は,往復文書等(甲第6号証の1・2,甲第7号証の1・2,甲第8号証の1・2,甲第9号証の1・2,甲第10号証の1・2,甲第11号証)で明らかである。

  この時点で,卸売5社が原告からの卸売取引の申込みに応じてくれていたならば,原告は今回の窮状には至らなかったものである。
  よって,本件請求の趣旨第1・2項を主位的請求とし,次のとおり予備的請求を追加する。

請求の趣旨
〔予備的請求〕

  被告株式会社新販,同株式会社近販,同株式会社大読社,同関・地区新聞即売株式会社及び同日経大阪販売開発株式会社(以下「卸売5社」という)は,関西国際空港島における新聞(全国紙である朝日新聞・毎日新聞・読売新聞・産経新聞・日本経済新聞の5紙に限る。以下本項において同じ)の販売のための原告からの新聞卸売取引の申込みを拒絶してはならない。

 訴訟費用は被告らの負担とする。
との判決を求める。
原告会社の商権確保と商品の調達
  原告会社には卸売5社から全国紙5紙の卸売取引を拒絶された平成6年の段階で,すでに航空局・関空会社等に固定客があった。それは同年の関空開港とともに,さらに客を増加すべきコアとなる顧客であった。
  これらのコアを守るためには,手を尽くして商品の入手に腐心しなければならなかったが,開港当時の入手先は,ほとんど,関空販社・卸売5社の圧力により失われた。その中で,なお,空港島外の一部の業者が自分が卸売を受けた新聞の一部を割愛してくれているが,その数量は微々たるものであり,原告が本来販売することが可能な量には到底及ばない。本訴においてこれらの業者名を顕名することは,当該業者の事業にダメージを及ぼす。すでに卸売5社・関空販社から原告会社に新聞をまわしているとほぼ見当をつけられて居心地の悪くなっている業者もある。原告は持久のためには,足りない新聞を店舗売りから時価で買い取って配達しており,人件費相当分が赤字となっている。

  原告会社が開港(平成6年9月14日)以来被っている損害について
  原告会社は,空港開港に伴う関空販社の営業以来,平成14年9月末現在で2億1826万3713円の損害を被った。
  その詳細は別紙のとおりである。
第 2  被告らの答弁書に対する反論
  関空販社の新聞販売の継続
  被告関空販社は,その定款変更を公取委に報告した後も,現在も,継続して従前どおりの販売行為を継続している。勿論,被告卸売5社も,空港島市場については,被告関空販社にのみ限定して卸売取引を継続している。
  これらの事実を争う被告らの答弁は事実に相違する。