平成14年(ワ)第11188号 平成15年(ワ)第6629号
独禁法違反行為に対する差止請求事件
原  告  エアーポートプレスサービス株式会社
被  告  日経大阪即売株式会社

第 1 準 備 書 面

平成15年10月29日

大阪地方裁判所第4民事部合議A係  御中

                       被告日経大阪即売株式会社訴訟代理人

                                    弁 護 士       米  田  秀  実 

                                       同         高  島  志  郎 

                                       同         小 坂 田  成  宏 

第 1  平成15年9月22日付原告準備書面について

損害について
 原告は、空港開港に伴う被告関空販社の営業以来平成14年9月末現在まで2億1826万3713円の損害を被った旨主張するが、かかる主張には何らの根拠も示されておらず理由がない。
  したがって、かかる原告の損害の主張については、その存在及び金額のいずれも争う。

原告からの取引の申込みについて
 原告が訴外日経大阪販売開発株式会社に対して取引申込をしたという平成6年1月28日以降、本件訴訟係属後の平成15年5月1日までの間、9年以上の機関が存するが、その間、訴外日経大阪販売開発株式会社(以下「訴外日経大阪販売開発」という。)はもちろん、被告日経大阪即売株式会社(以下、「被告日経即売」という。)も、一度も原告から新聞の取引申込みを受けたことがない。
  したがって、平成15年5月2日の原告からの新聞取引の申込みに対する拒否をもって、従前からの取引拒絶の継続などと言うことは到底できないのである。
 なお,被告日経即売は、原告からの平成15年5月2日到達の書面による取引申込み(甲18)に対して、これに応じられない旨の回答をしている(甲22)が、これは、被告日経即売と原告とが、空港島の新聞販売事業において、共に航空会社、空港島内売店等へ全国紙を販売する立場にある、いわば競合事業者であることを理由としており、正に当然のことであって、何ら不当なものではない。
 即ち、被告日経即売は、平成10年10月に訴外日経大阪販売開発株式会社から新聞販売の業務を承継したが、その当時から現在に至るまで、空港島においては、全国紙である日本経済新聞(以下、「全国紙」という。)を航空会社や空港島内売店等(以下、「航空会社等」という。)へ直接販売してきたのであって、空港島において販売される全国紙を被告関空販社等に卸売りしたことはないのである。
第 2  被告日経即売による全国紙販売業務の形態及び会計処理について

被告日経即売による全国紙販売の流れについて
  上記第1の2に記載のとおり、被告日経即売は、空港島において、全国紙を航空会社等に対して直接販売しており、配送、集金等の業務に限って被告関空販社に委託している。従って、これら全国紙の配送、集金等の業務に関しては被告日経即売から委託を受けた被告関空販社が行っているのである。
  即ち、被告日経即売は、必要部数の全国紙を用意して被告関空販社に配送して航空会社等への配送を委託する。被告関空販社は、被告日経即売から配送された全国紙を、航空機の便毎等の仕分けを行い、航空会社等に配送して納入する。
  そして、被告日経即売から代金回収業務の委託を受けた被告関空販社が、航空会社等に対して納入された実数に基づいて、被告日経即売に代わって航空会社等に請求し、航空会社等は、一旦、被告関空販社の口座に代金を振込み、被告関空販社から被告日経即売に対しては、代金回収額から業務委託料を差し引いた額の支払いがなされている。

会計処理
  上記1のとおり、代金回収には、被告日経即売と航空会社との間に、委託を受けた被告関空販社が介在するものの、売主である被告日経即売が買主である航空会社等に対して行うべき代金回収業務を被告関空販社に代行しているに過ぎない。
  これは、航空会社等から、会計処理の便宜のため、請求窓口(航空会社等からの支払窓口)を一本化して欲しいとの強い要望が出され、これに応じた結果に過ぎず、新聞の売主はあくまで被告日経即売であって、被告関空販社ではない。
  現実に、各航空会社に対する新聞の納入販売を考えれば、それぞれの便に全国紙各紙を必要部数ずつ搭載する必要があり、本来の販売ルートからすれば、被告日経即売をはじめとする各販売会社が各航空会社に対して、各便ごとに,配送している部数ごとに積算して新聞代金を請求することになる。
  しかしながら、請求を受ける航空会社としては、このような請求と支払を複数の新聞販売会社との間でやり取りするのが煩瑣であるため、その手続きを「新聞代」として一本化して欲しいとの強い要望が存するのである。
  被告日経即売をはじめとする販売会社は、このような顧客の要望に応じざるを得ないとの理由から、航空会社に対する請求・支払の窓口を一本化してきたのである。
  なお、甲第13号証(被告関空販社の第7期決算書)に関する被告関空販社の平成15年8月25日付準備書面における主張については、被告日経即売は、これを援用する。

営業活動等(乙キ1ないし2)
  被告日経即売のみならず、被告日経即売に新聞販売の業務を承継する前の訴外日経大阪販売開発も、自ら航空会社に対する営業活動を行ってきた。
  具体的には、訴外日経大阪販売開発は、従来、中国の航空会社では中国国際航空としか取引がなかったため、中国南方航空、中国東方航空、中国北方航空の各社に対して積極的な営業活動を行い、取引を開始するなど一定の成果を獲得してきた。
  また、被告日経即売が新聞販売事業を承継した後も、中国西南航空やトルコ航空に対して営業活動を行っている。
  更に、被告日経即売の営業担当者は、日常の営業活動として、JAL(日本航空)の関連会社であるJALUXやANA(全日本空輸)の関係者と商談を行ったり、関西空港内の各売店に対する売れ行き調査等も実施しているのである。
  以上のとおり、被告日経即売は自ら営業活動を行っているのであって、このことからも、空港等において、被告日経即売自身が航空会社等への販売を行っている事実は明らかである。

以 上