第 1  請求の趣旨(予備的請求)に対する答弁
第 2  「裁判所の求釈明に対する釈明」に対する認否・反論
第 3  「被告らの答弁書に対する反論」に対する認否・反論


平成14年(ワ)第11188号 独禁法違反行為に対する差止請求事件

直送済

原  告 エアポートプレスサービス株式会社
被  告 株式会社大読社 外5名

準 備 書 面 1

平成15年3月31日

大阪地方裁判所 第4民事部合議A係  御 中

                      被告株式会社大読社 訴訟代理人
                                弁 護 士       寺 上 泰 照 

                                   同         岩 下 圭 一 

                                   同         佐 藤 水 暁 

                                   同         生天目 麻紀子 

  被告大読社は、原告より提出された平成15年2月8日付け準備書面(1)における裁判所の求釈明に対する釈明及び被告らの答弁書に対する反論に対し、以下とおり認否、反論する(なお、本書面において用いる固有名詞等の略称は、特段の断りがない限り、被告大読社の答弁書と同様である。)。
第 1  請求の趣旨(予備的請求)に対する答弁

原告の被告株式会社大読社(以下「被告大読社」という。)に対する請求を棄却する。
 

訴訟費用は原告の負担とする
との判決を求める。
第 2  「裁判所の求釈明に対する釈明」に対する認否・反論
卸売5社の取引拒絶と関空販社の販売行為について

(1)
 同項(1)記載の事実については、原告の臆測に基づく一方的な主張に過ぎないので否認する。
  被告関空販社は、空港島における全国紙5紙の配送及び集金業務等だけを行う会社であり、空港島における全国紙5紙の営業販売活動を一切行っていないから、そもそも、原告に対して新聞卸売取引を拒絶するということは全くあり得ないし、空港島における全国紙の取引を独占しているなどということもおよそあり得ない。

(2)
  同項(2)記載の事実については、原告の臆測に基づく一方的な主張に過ぎないので否認する。

(3)
  同項(3)記載の内容については、認否・反論の対象ではないと思料する。

(4)
  同項(4)記載の法的主張については争う。
  なお、裁判所からの原告に対する求釈明は、「1 請求の原因において主張している共同取引拒絶行為と、請求の趣旨において求めている販売行為の中止との関係について、主張されたい。」というものであるが、原告の釈明は、何の理論的説明もなく「考案の実情に即して」の一言で片付けるものであって、およそ釈明になっていない。
  被告大読社の答弁書でも述べたとおり、原告の主位的請求は、いわば空港島における全国紙5紙の販売を原告に独占させることを求めるに等しいものにあって、およそ被告らの共同取引拒絶による「侵害の停止」を求めるものでないことが明らかであるから、独占禁止法24条に基づく差止請求の趣旨を明らかに逸脱するものであり、主張自体失当である。

(5)
  同項(5)記載の事実は、原告の臆測に基づく一方的な主張に過ぎないので否認する。

関空販社の不公正取引への加功
 同項記載の事実のうち、被告関空販社が被告卸売5社の共同出資により設立された会社であることは認めるが、その余の事実については、原告による何ら根拠のない一方的な決め付けに過ぎないから否認する。
 被告関空販社は、空港島における新聞の流通合理化を図るために設立された会社であるから、「被告卸売5社による共同取引拒絶のために設立された会社である」などという主張は、何ら根拠のない原告の妄想に過ぎない。
  そもそも、原稿の主張は、被告関空販社が不公正な取引方法に加功した共同不法行為者であるという抽象的な結論を繰り返しているだけであって、独占禁止法24条に定められている行為に該当する具体的事実が全く明らかにされておらず、「被告関西国際空港新聞販売株式会社が独禁法24条に定めるどのような行為をしたと主張するのか、整理されたい。」との裁判所の求釈明に対して全く答えていないに等しい。

卸売5社の独禁法19条違反
  同項記載のうち、卸売5社がその共同設立した関空販社に空港島における全国紙の取引市場を独占させるべく、共同して、原告に対し、空港島までは関空販社以外とは取引しないと卸売を拒絶したとする事実については否認し、その余は法的主張については争う。
  繰り返し述べているとおり、被告関空販社は、空港島における新聞の流通合理化を図る目的で、空港島における全国紙5紙の配送及び集金業務等だけを行っている会社であり、空港島における新聞卸売販売の拡販等の営業活動を全く行っていないのであるから、そもそも被告関空販社が空港島における全国紙の取引市場を独占するということはあり得ない。
 原告は、「卸売5社の行為は、不公正な取引方法について公取委が指定しているいわゆる一般指定の1項(共同取引拒絶)に該当するものと思料する。」と主張しているが、「卸売5社の行為」の内容については、抽象的に「卸売5社は、・・・共同して、原告に対し、空港島では関空販社以外とは取引しないと卸売を拒絶した。」と主張するだけで、いつ、どこで、誰が、誰に対して、どのような方法で取引の申し込みを行い、どのような交渉経緯を経て、どのような結論に至ったのかという具体的な行為の内容を全く明らかにしていないから、主張自体失当と言わざるを得ない。

卸売5社の原告APS社に対する取引拒絶
  原告会社が平成6年1月28日付け書面で被告大読社に対して新聞卸売取引の申し込みを行ったこと及び被告大読社が原告会社の申し込みを拒絶したことは認めるが、被告大読社以外の被告卸売5社と原告との間の取引申し込み等の経緯は不知。
  被告大読社の答弁書において述べたとおり、原告は、平成6年1月29日以降、現在に至るまで約9年近くの間、少なくとも被告大読社に対しては1度も新聞卸売取引の申込・要請等をしていないのであるから、今になって突然、約9年も前の1度きりの取引申し込みを持ち出して、「この時点で、卸売5社が原告からの卸売取引の申込みに応じてくれていたならば、原告は今回の窮状には至らなかったものである。」等と主張することは、極めて不可解であり、この一事をもってしても原告の請求原因に理由がないことは明らかである。
  なお、平成15年2月8日付け準備書面(1)により追加された予備的請求に対する答弁は、前記第1記載のとおりである。

原告会社の商権確保と商品の調達
  同項記載の事実は、何ら立証を伴わない原告の一方的な臆測に基づくものであるから否認する。
  繰り返し述べているとおり、平成6年1月29日以降、現在に至るまで約9年近くの間、原告が少なくとも被告大読社に対しては1度も新聞卸売取引の申込・要請等をしてきていないという客観的事実からすれば、原告は、平成6年以降、現在に至るまで空港島における全国紙5紙の販売を維持・継続するに十分な全国紙5紙の仕入れ先を確保していることは容易に推測できるのであって、現に、現在も訴外株式会社なんばミヤタ等から全国紙5紙の卸入れを受けている。
  原告は、「原告は持久のためには、足りない新聞を店舗売りから時価で買い取って配達しており、人件費相当分が赤字となっている。」と主張しているが、平成6年以降、長期間にわたって時価で仕入れて時価で売るなどというおよそ商行為としてあり得ない行動をとっていたということはあり得ない。

原告が開港(平成6年9月14日)以来被っている損害について
  同項記載の事実は、原告らの一方的主張に係る事実であるから、損害の発生及び損害額のいずれについても争う。
  平成15年2月8日付け準備書面(1)に添付されている別表については、そもそも、表の読み方を含め、損害として主張している各項目毎の損害発生根拠及び損害額算定根拠に関する詳細な主張・説明がないので、この点についての原告の主張が明らかになった段階で、必要に応じて改めて反論等を行う事とするが、一読しただけでも、下記のとおり、理論的誤り、矛盾等の不可解な点が多々存在している。

@
  別紙1頁の「損害金一覧表」を見ると、「3 得べかりし利益」ち「4 事務所経費の損害を挙げて、両者を加えて損害金の合計を算出しているが、利益を得るためには、経費が生ずることは当然の常識であって、利益と経費を合計して損害を算出するのは、いわば二重取りである。したがって、「3 得べかりし利益」と「4 事務所経費の損害」を合計して損害金を算出しているのは、理論的に明らかな誤りである。   

A
  別紙1頁の「損害金一覧表」において、「1 卸売5社から仕入拒否された新聞の仕入・入手に係わる損害」の期間が「平成6年から平成8年までの3ヶ年間」となっている根拠が不明である。   

B
  別紙1頁の「損害金一覧表」において、「4 事務所経費の損害」の期間が「平成6年から平成9年の間」となっている根拠が不明である。   

C
  別紙3頁の「3.算定計算書」において、「A仕入のための経費」が計上されている根拠が不明である。仮に、原告が卸売5社から仕入を受けていたとしても、仕入のための経費は同様に発生するのであるから、「A仕入のための経費」は、原告の主張する被告卸売5社の共同取引拒絶行為と因果関係がない。
D   別紙3、4頁の各「3.算定計算書」の中では、いずれも朝刊が110円として計算されているが、各新聞社の価格変更等により全国紙5紙の価格は変動しているはずであるから、一律に110円として計算しているのは明らかな誤りである。ちなみに、読売新聞に関して言えば、平成6年1月〜平成12年8月までが110円で、平成12年9月から現在までが130円である。

E
  別紙3、4頁の各「3.算定計算書」の中では、いずれも1年を350日として計算されているが、休刊日は、およそ年10日〜12日の間で変わるから、一律に1年を350日として計算することは明らかな誤りである。   

F
  別紙3頁の「3.算定計算書」の中で、「ガソリン代」を2台で計算しているが根拠が不明である。   
G   別紙4頁の「3.算定計算書」の中で、「販売店から仕入た場合」の金額欄の記載が誤っており、その結果、「仕入差損」の金額も誤っている。具体的には、「販売店から仕入た場合」の合計金額を原告の計算式で計算すると「13,305,600円」であるが、金額欄には「13,056,000円」となっており、「仕入差損」の金額も「3,942,400円」となるはずが、「4,192,000円」となっている。   

H
  別紙4頁の「3.算定計算書」の中で、「仕入差損」の計算では朝刊の分しか計算されていないが、「経費」の計算で「アルバイト 朝夕刊」とあるのは矛盾している。   
I  別紙4頁の「3.算定計算書」の中で、「交通費(電車代)」として960円を計上しているが、その内訳・根拠が全く不明である。ちなみに、りんくうタウン駅〜関西空港駅間の料金は、JR、南海電車とも片道350円である。   

J
  別紙4頁の「3.算定計算書」の中で、「販売店から仕入た場合」という意味が不明である。別表3頁の「3.算定計算書」の中では、「即売会社から仕入た場合」と記載されているが、これとは異なる趣旨なのか。   
K   別紙5頁の「1.内容」の中で、「@関空販社が独占せず、通常の競走をしていれば当社が得るべき販売額」とあるが、「販売額=利益」でないことは、世の中の一般常識であるから、「得べかりし利益」の内容説明としては、明らかな誤りである。

L
別紙6頁の「3.算定計算書」の中で、「社員を3人余分にを雇用していた。」とあるが、損害額算定の計算では、給料が2人分しか上がっていないのは矛盾している。
第 3  「被告らの答弁書に対する反論」に対する認否・反論
 同項記載の事実は、原告の臆測に基づく一方的な主張に過ぎないので否認する。
  再三述べているとおり、被告関空販社は、空港島における新聞の流通合理化を図る目的で、空港島における全国紙5紙の配送及び集金業務等だけを行っている会社であり、空港島における新聞卸売販売の拡販等の営業活動は一切行っていない。

以 上