平成14年(ワ)第11188号 独占禁止法違反行為に対する差止請求事件

原  告  エアーポートプレスサービス株式会社

被  告  株式会社大読社 外5名

準備書面4

平成15年10月20日

大阪地方裁判所第4民事部合議A係 御中

                      被告株式会社大読社訴訟代理人

                              弁護士   寺   上   泰   照 

                             弁護士   岩   下   圭   一 

                             弁護士   佐   藤   水   暁 


目   次

第1 空港島における新聞販売の実態について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3

第2 原告準備書面(5)に対する認否・反論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4

  1 原告準備書面(5)第1項(1)について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4

  2 原告準備書面(5)第1項(2)について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4

  3 原告準備書面(5)第2について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5


  被告大読社は、原告より提出された平成15年8月26日付け準備書面(5)
(以下「原告準備書面(5)」という。)における原告の主張に対し、以下のとおり認否、反論する(なお、本書面において用いる固有名詞等の略称は、特段の断りがない限り、被告大読社の答弁書及び従前の準備書面と同様である。)
第 1  空港島における新聞販売の実態について
  これまでも繰り返し主張しているとおり、被告大読社は、被告関空販社に対し、空港島における読売新聞の配送及び集金業務だけを委託しており、空港島における新聞の営業活動は、被告関空販社ではなく、被告大読社自らが行っている。
  具体的には、被告大読社の従業員が各航空会社を訪問する等して、旅客機搭載用の新聞の営業活動を行っており、現時点において客観的な資料に基づいて確認できる範囲に限っても、本書面末尾添付の別表記載のとおり、被告大読社の従業員が各航空会社を訪問して旅客機搭載用の新聞の営業活動を行っている(乙ウ第3号証の1ないし5及び乙ウ第4号証の1ないし14)。
  なお、被告大読社の航空会社に対する営業活動は、従業員が直接に各航空会社を訪問して行われるだけでなく、電話等の方法で随時行われていることは改めて言うまでもない。具体例を挙げると、被告大読社の従業員である小津清平氏の営業日報の平成13年3月23日の欄には、「関空中国国際よりDAILY YOMIURIの件でTEL」という記載があるが(乙ウ第3号証の4)、この記載からも、中国国際航空に対する旅客機搭載用の新聞の販売を被告大読社が行っていることは明白である。
  したがって、被告関空販社が空港島において旅客機搭載用の新聞の販売を行っている事実は存在しないから、原告が主張するように被告卸売5社が被告関空販社に空港島における全国紙の取引市場を独占させるために原告に対して共同で取引を拒絶することはあり得ない。
第 2  原告準備書面(5)に対する認否・反論

  原告準備書面(5)第1項(1)について
  同項で援用されている甲第23号証1〜3頁記載の事実は、その大部分が被告大読社とは関係のない記載であって、本件訴訟における請求原因事実との関連性が不明であるから、認否・反論の必要がないものと思料する。

  原告準備書面(5)第1項(2)について
  同項で援用されている甲第23号証4〜8頁記載の事実は、そもそも何ら立証を伴っておらず、単なる主張を記載したに過ぎないのか、それとも原告が実際に体験した事実を記載したものなのか明らかではないが、いずれにしても被告大読社と原告との間の新聞の卸売取引に直接関係するものではないから、不知ないし否認する。
  被告大読社の答弁書でも既に述べたとおり、被告大読社は、平成6年1月28日付の取引申込みを受けて以降、平成15年5月1日付けの取引申込みを受けるに至るまで9年以上もの間、原告から新聞の卸売取引の申込みを受けた事実は一切ない。
  したがって、原告が、具体的に被告らの如何なる行為を捉えて共同取引拒絶であると主張しているのかは全く不明であるが、被告大読社においては、原告からの取引の申込みがない以上、取引を拒絶するなどということはおよそあり得ない。
  なお、甲第23号証4〜8頁記載のうち、特に「平成6年9月4日(関西国際空港開港)〜現在まで」(7〜8頁)に記載されている内容は、いずれも訴外株式会社なんばミヤタと被告卸売5社との間の新聞の卸売取引に関するものであるが、本件訴訟は、被告卸売5社の原告に対する共同取引拒絶が請求原因として主張されているのであるから、これらの記載内容は、本件訴訟における請求原因事実と関連性がない。
  そもそも、本件訴訟において、このように訴外株式会社なんばミヤタと被告卸売5社との間の新聞の卸売取引に関する事実ばかり主張されている自体、原告が被告らの独占禁止法違反行為によって侵害されたと主張している空港島における新聞販売等の業務は、実質的には、訴外株式会社なんばミヤタが遂行しているものであって、原告に独占禁止法24条に基づく差止請求訴訟の要件事実である「著しい損害」が発生していないことを顕著に物語っている(原告には当事者適格が欠缺しており、訴えの利益が存在しないことは、被告大読社の平成15年4月24日付け準備書面2で既に述べたとおりである。)。
  ちなみに、甲第23号証4〜8頁には、平成6年10月下旬の欄に「なんばミヤタを通じて卸売5社にANA搭載新聞の増数の仕入申し入れをするも拒絶される葛゚販宮島善夫取締役、椛蜩ヌ社牛田順三取締役、日経新聞社販売局佐々井正章次長に申し入れ。」という記載があるが、被告大読社は、訴外株式会社なんばミヤタから「ANA搭載新聞」であることを明示した増数の仕入申し入れを受けた事実は一切ない。被告大読社は、過去に訴外株式会社なんばミヤタから増数の仕入申し入れを受けたことはあるが、それはあくまでも訴外株式会社なんばミヤタと被告大読社との間の新聞の卸売取引に関するものであって、原告とは全く関係がない。また、平成6年10月当時、被告大読社の牛田順三は取締役ではなかった。

  原告準備書面(5)第2について
  同項記載の事実主張については否認する。
  被告大読社は、従前からの取引拒絶を継続しているわけでなく(平成6年1月28日付けの取引申込みを受けて以降、平成15年5月1日付けの取引申し込みを受けるに至るまでの9年以上もの間、1度も原告からの新聞の卸売取引の申し込みを受けた事実がないことは既に述べたとおりである。)、平成15年5月1日付け内容証明郵便(甲第18号証の1、2)による原告からの新聞の卸売取引の申し込みについて、原告の業務実態、取引条件等の諸要素を十分に検討した上で判断する用意がある。
  ただし、原告と被告大読社との間の新聞の卸売取引に関しては、現在、まさに本件訴訟において係争中であって、本件訴訟手続内において事実を明らかにして解決すべきであるから、被告大読社は、原告から送付された内容証明郵便(甲第18号証の1,2)に対し、本件訴訟手続外において、敢えて回答を行っていない。
  なお、同項記載の事実主張については、原告が従前から主張してきた取引拒絶との関係でどのような意味を有する主張であるのか、その主張としての位置付けが不明であり、本件訴訟における請求原因事実との関連性が明らかではないから、主張自体失当である。

以 上