平成14年2月1日号


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新技術開発の土壌汚染対策コンソーシアム

NGO主導の「産学官」連携で大阪に設立


  大阪産業創造館の「環境プロジェクト」が始動・。

 土壌への環境負荷を低減するため、国連が認定するNGO(非政府組織)のオイスカ関西総支部と大阪産業創造館が事務局となった「土壌汚染対策コンソーシアム」(代表、森義信・オイスカ関西総支部長)が一月二十一日、大阪市内で設立総会を開き正式に発足した。

 関西総合環境センターなど民間側七人と、技術の有効性を評価するためのアドバイザーとして近畿圏の大学、研究機関など学識経験者七人で構成。オブザーバーとして国、近畿経済産業局、大阪府、大阪市など行政側からも四人が参加している。

 同コンソーシアムは、世界的な課題の土壌汚染による環境負荷を低減するための技術開発や土壌汚染防止対策にかかわる研究などに取り組む。このほか、省エネ、省資源化技術の発掘や大手企業との複合技術の開発を促進するため土壌汚染防止に関連するバイオベンチャー企業を育成する方針。NGOが主導的な役割を担うことで国からの支援で優位性を発揮できる利点も発揮できるとしている。

 また、環境関連ビジネスとして見た場合、土壌汚染対策は、環境関連法の整備などに伴い土壌調査、改良、予防措置など、様々な分野で大きな市場(将来二十兆台)が予測されている。

 将来性・公益性があると認められた有望企業はコンソーシアムによる技術検証の後、具体的な事業化を進めることができる上、環境プロジェクトとして地域のまちづくりに役立つ。

 土壌汚染対策コンソーシアムの初代代表を務める森義信氏(財団法人・オイスカ関西総支部参与、環境ISO部会副部会長)は、かつてからコンソーシアム創設の提案者。

 「今回の土壌汚染対策コンソーシアムは、従来の連携のような産・官・学とNGOが単に鎖状に繋がっているのではなく、NGOが連携する各組織のコア(核・中心部)に位置していることが今までとは大きく違う点だ。NGOが中心部に位置することで、どの組織も力関係を感じることなく、十分に言い合える関係が構築できた」と強調する。

 また、他府県の組織がコンソーシアムに入ってきてもその枠組みがそのまま使えるのもメリット。例えば各自治体が中心部にいる場合、他の自治体が入ることは難しいが、中心部にNGOがいると、ここで認証化された技術を他府県の自治体が採用することも可能。さらに同じようなコンソーシアムを他府県で創設する必要もなく、共同で技術開発する方が省エネ・省資源・研究費が低減でき、効率的・効果的だ、と指摘する。

 特に森代表は、土壌汚染の浄化技術をベンチャー企業に期待し、理由としてベンチャー企業による省エネ、省資源化された技術開発が潜在的に多く存在していることが最近になって分かってきたからだ、と話す。

 今後、土壌汚染対策に採用される浄化技術は、土壌の「複合汚染」に対処できなければならない。そこで、大手企業が技術開発している既存の浄化技術とベンチャー企業が開発している省エネ、省資源型浄化技術との「複合技術」を新技術として開発する必要がある。中小・ベンチャー企業の方には「どんどんコンソーシアムを利用してほしい」(森代表)と積極的な参画を呼びかけている。

 具体的には生石灰を使っ

たホットソイル工法、オゾン電解法など技術開発したベンチャー企業がコンソーシアムにチャレンジ。また土壌汚染の対象物質の重金属類、揮発有機塩素系化合物、ダイオキシン、PCBなどの浄化技術を研究開発している企業には願ってもないチャンスに違いない。

 大阪産業創造館の環境プロジェクトを利用し認定を受けることで、独力ではアプローチが難しい行政や大企業にコンソーシアムを通じてアピールできる成果が期待される。

 土壌汚染コンソーシアム創立を記念して基調講演した佐藤雄也・土壌環境センター専務理事は「今後の土壌環境保全対策の在り方に対する考え方の取りまとめ案」(中央環境審議会土壌農薬部会土壌制度小委員会案)の内容を説明した。

 土壌は、人の生活及び経済活動の基盤である土地を構成。その土壌が汚染されると汚染土壌の直接摂取、地下水や、そこで生育した農作物の摂取が人の健康に影響し、また農作物の生育阻害など生活環境に影響を及ぼす。その防止のため土壌環境保全対策制度の基本的考えをまとめている。要は土壌汚染による人の健康への影響防止が眼目。

 内容は\土壌汚染対策の「背景」]土壌汚染のリスク、対象物質、基準の考え方^土壌汚染の把握では調査の契機、調査の実施主体、調査の方法、調査結果の信頼性の確保_土壌汚染のリスク管理の指定、リスクの低減、土壌改変に伴う新たな環境リスクの発注の防止、リスク低減装置の実施主体。`土壌汚染によりリスク管理が必要な土地の台帳への登録、公告a支援措置など、中小企業者に対する配慮b今後、中央環境審議会の技術的事項など、調査研究や検討を進める課題がある・としている。

 問い合わせはオイスカ環境ISO部会(電話06・6303・5351)、大阪産業創造館環境プロジェクト(電話06・6264・9898)