平成14年2月21日号


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「そごう百貨店大阪店」b

近代建築史上重要な意味を持つ名建築の建て替えで

全面保存が無理ならせめて正面の外観だけぜひ保存


  以前から取り壊し計画の話は出ていたが、二月上旬、具体的な話がテレビニュースで紹介されたらしい。見ていないのでよく分からないが心配である。大阪を代表する優れたモダニズム建築が建て替えられ、また一つ都市の資産が失われるかもしれない。詳しい事が分からない段階で、このような事を提案するのは、どうかと思うが、近代名建築の建て替えについて、敢えて「開発的な保全・再生」の方法を提案したい。

 日本建築学会の保存の要望書のように建築の全面的な保全・再生が一番優れている事は当然である。

 しかし、それが実現出来ないのであれば次善の策として「ファサード保存」を提案したい。全面保存を訴えて、それが聞き入れないまま、全てを失うのは良くない。せめて御堂筋側の構成主義を思わせる優れた外観だけでも、何としても保存して欲しい。

 「ファサード保存」は、外観保存とか正面保存と言われ、街路に面したその建物の顔となる外壁だけを保存する事である。

 ファサードは、建物の正面で主入口のある面の事を指す専門用語である(・建築用語辞典・、昭和40年、技報堂)。

 世界的に有名な建築家が新しいそごう百貨店大阪本店の設計を進めているとの情報が入っている中で、早急に「ファサード保存」をその建築家に検討して欲しいのである。

 当然、ファサード以外の内部は、規模や機能などの要求に応じるために改築されてしまうのである。

 しかし、戦後の改造でも大切に残された御堂筋側の出入口周辺の装飾や扉、ガラスモザイク天井などは保存して欲しい。

 心斎橋には、御堂筋に沿って大正期のーォーリズ設計になる大丸百貨店と昭和戦前期のこの建築が隣接しており、独特な景観を呈している。これらは商都大阪ミナミを象徴する優れた都市景観でもある。

 町並みの景観保存を考えた近代建築で、日本における最初の例として京都の中京郵便局(明治35年)のファサード保存が有名である。日本だけでなく、都市景観を大切にする欧米の都市部などでは、この方法が多く用いられている。内部には新しく求められる機能を充足させながらも外観に対しては、長い間、市民に親しまれてきた歴史的な景観を残して行こうとしているのである。

 新しいそごう百貨店が、世界的な優れた建築家の手によって誕生する事も大きな意味がある。そこに建築の進歩もある事は理解出来る。しかし、それは他の場所で建築家の能力を十分に発揮し、建設して欲しい。

 歴史屋のエゴと言われても、この日本の近代建築史上重要な意味を持つそごう百貨店を取り壊す事だけは絶対にやめて欲しい。

 新しいそごう百貨店建設工事の中に、現在のそごう百貨店の優れた外観を「ファサード保存」として活用して欲しい。心優しい建築家に、この件を強くお願いしたいのである。

 日本の近代建築を愛し、保存を願う私たちの気持を理解して頂ければこの上ない幸福である。

・写真・保存の声を紹介してくれた新聞記事。

4面から続き

 「神戸も二割カットされたわけですし、この場ではコメントは控えさせてもらいます」

・もうすぐ三月場所大相撲の事ですが、理事長が新しい昭和生まれの方に代わられて、そういう事で協会側の変化とか、従来路線と違った話とかが出て来ておるんでしようか。

 「今のところはありませんけれども、北の湖さんは素晴らしいですよね。初めての戦後生まれの理事長です。やはり大相撲改革に対する意欲を感じますよね。子供たちのファンを増やしたいという記事を新聞で読みましたけれども、子供たちを育てるのは女性であり、比較的中高年の女性ファンは多いと思いますが、若い女性を引き付けていくという事が子供のファンを増やすという事につながり、大事な事だと思います。その意味で、女性ファンの層を厚く、広くする事も大相撲改革に向けて加えて頂きたいなと思うし、それとの関連で、私の問題についても前向きに検討して頂けると期待しています」

・カジノですけれども、石原都知事が積極的にやりたいと提起しておられますが、大阪はどうなんですか。

 「カジノの問題はいろんな意見をお持ちの方がおられますので、仕組みの問題も含めてそれをいかに公正な形でやるという事を考えていかなければいけないと思います。大阪でやるかどうかは別にして、大阪にとって良いと思われる事は、常にアンテナを高くし、前向きでありたいと思っています。難しい議論もいろいろあるとは思いますが、大阪の活性化に役立つ仕組みならば検討していくべきと思っております」

・男女参画条例の件で、府が出している案が、当初の審議委員会が出した案から随分後退しているという意見が出ているが。

 「これはよく見て頂ければ分かるんですが、後退しておりません。答申と少しは違ったのは一点だけで、それは女性に対する暴力の禁止ですが、これはDV法自体が暴力を受けているのは女性ばかりだとは限らない。ですから、男女の人権侵害の禁止に広げましたけれども、それ以外は大体答申通りなんです」

発行所:大阪ジャーナル