平成14年3月1日号


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大阪府・市が大阪再生に創意工夫を結集

中小企業向け融資拡大や新産業創出を支援


 大阪府、大阪市の二○○二年度当初年度予算案が出揃った。府・市とも極めて深刻な財政の硬直化が進むなかで、新しい時代に対応出来る諸事業に前向きな創意と工夫を結集した。大阪府は施策の再構築などを通じて生み出した財源を活用して、怎Xピードある構造改革揩ネどの再生予算枠を設定。大阪市は国際集客など新世紀モデル都市を目指すソフト優先施策や競争力の強い中小企業の育成、産学官連携など新産業創出支援を図り、大阪経済の活性化につなぐ施策を打ち出している。

 大阪府の二○○二年度当初予算の総額は三兆九千九百四十九億円、うち一般会計は、ほぼ前年度当初並み。中でも安全と構造改革に集中配分する再生予算枠内に六十七事業、計二十億円を盛り込んだのが注目された。

 大阪市は同四兆三千四百六十一億円、うち一般会計は前年度比四・六%減の一兆八千二百七十八億円。

 大阪府、市とも施策の見直しに力を入れ、最終目的は財政再建と、恆蜊纃ト生揩目指したソフト志向の予算編成となっている。

 府・市の「主な新規事業」を見ると・。

 ・大阪府・▽産業の再生=引き続き厳しい経営環境にある中小企業の活力を生かす再生を金融面から支援するため制度融資を拡大。中小企業の資金繰り悪化に対応するなど過去最高の五千億円の融資枠を設けるほか、金利を平均○・二%引き下げる。また、創業支援のため、創業者の立ち上がり資金の利用条件についても、開業資金の四分の一以下の自己資金が必要だったが、これを五分の一以下に自己資金要件を緩和する。

 ▽新産業分野の育成=バイオテクノロジー分野(国の知的クラスター創成事業との連携)で産学官協力体制を進める国の事業との連携を強めるほか、中小企業が集まる東大阪へ国際コールセンター機能を備えたモノづくり支援拠点の整備事業を進める。情報技術(IT)関連の創業を支援する施設、府立試験研究機関の研究成果の特許化などを新規事業に位置づけている。

 このほか、インキュベーター(企業育成)施設の整備・運営を拡充。国内外のITベンチャー企業に事務所スペースを低料金で貸し出す。

 一方、産業活性化につなげる府立大学産業創造研究推進や府内の大学や研究機関のコンピューターを大容量高速回線で結び共同研究を加速させる。デジタルコンテンツ産業市場の活性化に向けた取り組みも。

 ▽都市再生=政府の都市再生本部に採用されたプロジェクトを軸に、「大阪の水都再生」を目指し、大阪市内を流れる堂島川の一部護岸に遊歩道を整備する。

 情報通信時代を踏まえブロードバンド(高速大容量)に対応したインフラ整備やソフト産業の振興に民間と協力して取り組むための行動計画が策定された。府がコンテンツ(情報の中身)産業をテコに都市再生を狙う戦略構想だ。先駆的産業だけにコンテンツ産業が経済を支える市場規模に成長すると期待されている。

 新年度には全国からクリエーターや投資家に呼びかけ大阪で「コンテンツのコンペ」を開催する予定。

 ▽環境=一月に策定した「大阪  世紀の環境総合計画」を踏まえた事業を展開する。堺市の埋立地など廃棄物最終処分場の跡地をリサイクル施設などとして整備する「大阪エコエリア構想」の計画策定や、都心部で目立つヒートアイランド現象を緩和するため屋上緑化の実証モデルを提案する。

 ・大阪市・屋上緑化事業では大阪市でも、ヒートアイランド現象を抑えるため、新年度から、建築物の屋上に緑化面積に応じて容積率を割増する「屋上緑化容積ボーナス制度」を導入する。新制度の対象は市内全域で、建物の種類は問わない。

 大阪市内には現在、商業地(五○○平方~)の敷地で市民に公開された空き地を設けた場合に容積率や高さなどの制限を緩和する「総合設計制度」があるが、要綱を一部改正し、屋上緑化の規模も制限緩和の要件に加える。

 市役所本庁舎で新年度から二カ年計画で屋上緑化に取り組む。また、民間建築物の屋上緑化への助成事業として、公共道路に面しない建物にも助成を拡大する。

 ▽地域新産業創造=今年二月、創業者やベンチャー企業のために「大阪市創業促進オフィス」を水道局旧庁舎に開設。さらに同庁舎内に、周辺のソフト系IT産業や映像、広告、デザイン関連産業など今後成長が見込まれるコンテンツ関連企業の活性化を図るインキュベーター施設(二十四室)を来春までに整備。施設の拡充後は、インキュベーションマネジャーを置き、入居企業と地域企業との連携・交流を促進する。

 また、工業研究所・研究本棟内にインキュベーター施設「創業支援ラボ」(六室)を十月に開設。大阪産業創造館の創業支援サービスや創業支援融資フォローアップ型との連携を図る。

 このほか、大学発ベンチャーの育成を狙いに大阪市大が所有する知識・最先端技術を活用するための産学連携のインキュベーターを同大学内に十月開設の予定。

 ▽制度融資全般の融資利率を○・二%引き下げ、企業の金利負担軽減を図る。

 ▽国際集客都市づくりで大阪の象徴・御堂筋のにぎわいづくり、新御堂筋の魅力創出の方策や、新戎橋架け替え整備など進める。

発行所:大阪ジャーナル