平成17年2月1日号
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 近畿MOTシンポジウム&プレスクール
   
2月8、9日開催 実践的MOTの成功事例

  近畿経済産業局、アイさぽーと主催「近畿MOTシンポジウム&プレスクール」(実践的MOTすすめ)が2月8日、9日の両日、大阪市北区の国際会議場・グランキューブ大阪で開かれる。
 近畿地域には14年度から開始のMOT(技術経営)プログラム委託事業(延べ113機関、うち近畿管内8機関)を契機に多くの大学・企業がMOT施策に取り組むなど、ポテンシャルの高い教育機関が集積。また、企業内でのMOT人材育成で、大阪ガス、松下電器産業、オムロン、シャープをはじめ、多くの企業の関心が高まりつつある。中堅・中小企業でも、東大阪のオンリーワン企業の集積や、技術に特化した企業の経営者育成などMOTへの期待は大きい。
  こうした背景のなか、一方で、MOT教育のノウハウに関しては、プログラムディレクターなど教育人材の層の薄さが懸念されているのが実情。そこに着目したのが今回の企業経営者、研究者、大学研究者、学生を対象にした「使えるMOT(実践的な技術経営プログラム)の成功企業の事例を中心としたシンポジウム。
 企業、ベンチャーの強みを生かすための意識づけや、分野特化型MOTを可能とするプログラムディレクター機能の必要性に言及する。本シンポジウムをきっかけに管内大学などにおけるMOT教育のレベル引き上げ、大学間の競争など多様な教育環境の整備を目指す。
 【プログラム】(1日目)
 「日本型ものづくり戦略」ーをテーマに、東京大学大学院経済研究科・藤本隆宏教授の基調講演に始まる。
 今、もっともホットな研究者で、企業人が技術経営を論じる。トヨタ自動車の製造組織やシステムの研究で著名。日本のものづくりの強みは「摺り合わせ型アーキテクチャ」と指摘する。
 次にイノベーション創造へのプロセスとキーファクターを学ぶため、独自の技術力を生かし、目覚ましい成長を遂げた成功企業2社(シャープ(株)、(株)シクオンス)の実践事例を発表する。
 パネラーは▽シャープ常務研究開発統括兼技術部長・太田賢司氏。シャープは太陽電池、液晶事業も世界トップメーカー。太田氏は「10年先を考えた時に、エレクトロニクス・メーカーの淘汰はきっとある。今の事業規模で残ろうとするのではなく研究開発部門がいろいろな新しい事をやって事業を大きくする方向に持っていきたい」と、語る。
 ▽シクスオン社長・村上路一氏。半導体材料の研究開発ベンチャー(京都市右京区西院)で初代社長は今井賢一・スタンフォード大教授。住友電工で産学連携ベンチャーの立ち上げを手がけてきた村上路一氏が三代目社長。省エネルギーの電子デバイス向けシリコンカーバイド(sic)分野で、Sic基盤市場の9割を独占する半導体ベンチャーの米クリー社に挑む。なお、村上社長は、研究評価手法の一つ、ニュースコア法の開発者で有名。
 続いて、MOTプログラムを開講している大学、民間の教育機関(大阪産業創造館、大阪産業大学、京都ソフトアプリケーション、同志社大学、立命館大学、アイさぽーと)が参加し、「近畿を中心とする教育機関のMOTプログラム」をテーマに、各機関のプログラムの特徴など、ほかにない優位性を中心に紹介する。
 この後、「日本における実践的MOTの必要要件」をテーマに延岡健太郎・神戸大学経済経営研究所附属政策研究リエゾンセンター教授をコーディネーターにパネルディスカッション。
 研究開発型企業から見たMOTの在り方で、企業側、プログラム提供者の意見交換。中小向け、ナノテクベンチャー向けなど分野特化型MOTの必要性を考える。
 パネラーは研究開発型企業から先述の太田、村上両氏とフロンティカーボン社長・友納茂樹氏が加わる。同社は三菱化学のカーボンブラックの製造技術と三菱商事が保有する物質特許を生かし、フラーレンの低価格を世界で初めて実施。
 プログラム提供者は▽川北真史・京都工芸繊維大学繊維学部デザイン経営工学科長教授▽田中武雄・大阪産業大学大学院工学研究科アントレープレーナ専攻主任教授▽松本毅・アイさぽーと取締役スクール事業部長。
  【プログラム】(2日目)
 MOTプレスクールー近畿を中心とする大学、民間教育機関で実施中または将来実施する予定の《MOT教育プログラム模擬授業形式》で体験出来る。
 トラック(1)「ものづくり技術経営〜人材マネジメント〜」(安川元祥・大阪産業創造館代表)◇「科学技術の市場化のための技術マーケティング」(川北真史・京都工芸繊維大学繊維学部デザイン経営工学科長教授)◇「商い事始め=[理念・競争力・商品を演習で学ぶ」(成瀬俊彦・大阪産業大学大学院工学研究科アントレプレナー専攻客員教授)
 トラック(2)◇「破壊型イノベーションは何か、それを如何にして成功させるか」(山口栄一・同志社大学大学院ビジネス研究科教授)◇「ナノテクMOT講座〜シリコンバレーナノテクノベンチャーの技術戦略」(伊佐田文彦・名古屋商科大学経営情報学部助教授)◇「実践的技術経営論の探求」(香月祥太郎・立命館大学情報理工学部教授、石田修一・同助教授)
 問い合わせは、近畿経済産業局地域経済部産学官連携推進課(06・6966・6164)へ。

発行所:大阪ジャーナル