平成17年3月1日号
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宝塚歌劇団月組公演
 
三井住友VISAミュージカル  「エリザベート」

  彩輝直さよなら公演、次期トップの瀬奈じゅんが
  女役挑戦、エリザベート役日ごとに上達、拍手喝采


宝塚十八番

 現在、宝塚大劇場で上演中の月組公演・三井住友VISAミュージカル「エリザベート」が話題を呼んでいる。
 今回がさよなら公演となる彩輝直が妖しいまでの主役トートを演じれば、次期トップの瀬奈じゅんは女役に挑戦。ダブル主役といえるエリザベートを美しく熱演。日ごとに拍手の音が大きくなってきている。
 「エリザベート」は1996年、雪組で宝塚初演。もとはウィーン・ミュージカルで、宝塚歌劇団の座付き作家である小池修一郎が潤色・演出を手がけた。今では新・宝塚十八番の人気演目だ。
  初演はトートを一路真輝、エリザベートを花總まり。同年、星組で再演され、麻路さき、白城あやかのコンビ。98年には宙組で姿月あさと、花總まり。2002年は花組で、春野寿美礼、大鳥れいが演じた。フランツ・ヨーゼフには、高嶺ふぶき、稔幸、和央ようか、樹里咲穂がそれぞれ当たり、今回は専科の初風緑。ルキーニはそれぞれ轟悠、紫吹淳、湖月わたる、瀬奈じゅんが当たり、今回は霧矢大夢。
 「エリザベート」は今回が5度目の再演。さらに5組全部が回った格好。
 小池は東宝にも招かれ、男優がトートを演じる東宝ミュージカル版も担当する売れっ子となった。
  さて、物語の舞台は19世紀末期のオーストリア=ハンガリー帝国。皇妃エリザベートがイタリア人アナーキスト、ルキーニに殺された。ルキーニは独房内で自殺を図る。
 ここは煉獄の裁判所。犯罪行為から百年たったにもかかわらず、暗殺者ルキーニを尋問している。ルキーニは皇妃が死と恋仲だったと言い、エリザベート自身が死を望んでいたと主張。
 ルキーニが狂言回しとなり、次々に彼女と同時代に生きた人々を霊廟から呼び起こすのだった。
 時代はエリザベートの少女時代まで遡る。木に上がった少女は落ちてしまい気を失う。その時、死・トートが現われ、エリザベートを蘇らせる。はからずも、オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフと結婚。3人の子どもにも恵まれるが、皇太后ゾフィー(美々杏里)が皇后教育といって、子どもを取り上げてしまう。
 皇帝に直訴し、取り返すも成人となった皇太子ルドルフ(大空祐飛)は自由運動に加わり、果は自殺してしまう。すれ違い夫婦の皇帝と皇后。「夜のボート」は切ない。
 この他、「愛と死の輪舞(ロンド)」「私だけに」「闇が広がる」「キッチュ」「僕はママの鏡だから」「愛のテーマ」などシルヴェスター・リー・ヴァイの音楽、ミヒャエル・クンツェの脚本・歌詞は素晴らしい。オリジナル・プロダクションはウィーン劇場協会。
 宝塚スタッフは翻訳黒崎勇、音楽監督吉田優子、編曲甲斐正人・鞍富真一。

21日まで

 皇太后の美々は、この役で卒業。フィナーレのエトワールで締めくくった。ベテランになった嘉月絵理は珍しい女役のマダム・ヴォルフ。
 21日まで。(C)写真は宝塚歌劇団。

発行所:大阪ジャーナル