平成17年4月1日号
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 2月定例府議会は2月25日開会、冒頭、太田房江知事は大阪市を除く府内42市町村の公立小学校を対象に警備員などを配置する全国初の補助事業を含む本年度一般会計当初予算案3兆1011億4800万円など計168議案を提案するとともに府政運営に関する所信表明を行った。以下はその要旨。なお同府議会は先月22日、知事提案の議案全てを可決、閉会した。

知事2月府議会所信表明


 アジアの中枢都市を目指し「大阪の元気」を掘り起こし
 19年度財政危機を乗り越えるために勝負を賭ける予算案 


  過日、寝屋川市立中央小学校で教職員が、17歳の卒業生の少年に校内で殺傷されるという痛ましい事件が起こりました。
  お亡くなりになった鴨崎先生は、教え子たちに慕われてきた熱血先生だったとお聞きをしています。本当に残念であり、心から哀悼の意を表します。また、重傷を負われましたお二人の教職員の一刻も早い回復をお祈りします。
  引き続き、子どもと学校の安全対策に懸命に取り組んできたにも関わらず、子どもが被害者、子どもが加害者となる事件が繰り返され、やり場のない思いと同時に、今、保護者からSOSが発せられている事を痛感いたしています。
  後ほど説明させて頂きますが、今こそ地域の力を結集して学校の安全・安心を確保したい、そのような思いで、緊急対応として再発防止の措置を取りたいと考えておりますので、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
  さて、府政を取り巻く経済・社会情勢でありますが、IT革命とグローバル化の進展等により国境を超えた都市間競争が展開され、取り分け、東アジア地域では、北京、上海、ソウルなど各都市が個性を競い合って発展する時代になっております。また、我が国では防災面での関心が極めて高まっており、大阪が首都東京の代替機能を担うだけの基盤、例えば国際空港、港湾、道路ネットワーク、IT基盤などですが、これらを備えている第一級の国際都市として重要な位置を占めている事も再認識され始めています。
  一方、私たちの目前には、人口減少高齢社会への移行というかつて経験したことのない大きな変化が迫ってきています。日本の総人口は2006年をピークに減少に転ずると予測されていますが、大阪では本年にも総人口のピークを迎え、緩やかな減少へ向かっていくとされています。こうした激動の時代にあって、大阪が活力と魅力を発揮し、世界の中での存在感を高めていくためには北京、上海、ソウルなどと並ぶアジアの中枢都市≠めざして、個性を磨き都市の格を高めていく必要があります。
  そして、経済回復が顕著となりつつある今が、その戦略をつくり、実行する好機だと考えます。
 大阪・関西経済の状況は例えば、有効求人倍率(大阪・12月)が0・97倍、12年9カ月ぶりの高水準、完全失業率(近畿・12月)も4・5%と、過去最悪であった平成14年第3・四半期に比べ、2・6ポイントも改善いたしております。
 製造業の関西回帰も顕著です。近畿の工場立地件数は、15年から顕著な増加に転じ、16年上半期は約1・7倍と大きな伸びを示しております。中でも大阪は16年になって急増し、面積で近畿全体の約40%を占めるに至っています。これは立地インセンティブや積極的なセールスが功を奏した結果と嬉しく思っています。
  私も関西の企業を中心に経営者の方々と直接お会いし、懇談する機会を増やしていますが、例えば、デジタル家電では明かに関西系企業が景気を牽引しており、関連の中小・中堅企業を含め、積極的な経営姿勢で取り組んでおられる事に、感銘を受けております。
  経済ばかりではありません。昨年のアテネオリンピックでの大阪ゆかりの選手の活躍は記憶に新しいところですが、今年に入っても啓光学園高等学校が全国高等学校ラグビー大会で史上2校目の4連覇達成という偉業を成し遂げました。また、サッカー・ワールドカップ・アジア予選の北朝鮮戦でも大阪出身の選手の活躍が光りました。
  これまで「大阪は元気がない」と言われてきましたが、私は社会の様々な面で大阪発の新しい息吹や活力が目立ってきていると感じています。やっぱり大阪にはしっかりした蓄積と大変な底力がある。「どっこい大阪!なかなか大阪!」これは大阪ブランド戦略のキャッチコピーですが、大阪の今を端的にうまく言い表しているのではないでしようか。大阪の元気≠さらに掘り起こし、磨き、力強く発信する。大阪はアジアの中枢都市≠ニして十分な格を備え、日本の、さらには東アジアの元気に大きく貢献することが出来ると確信しています。
  その一つの目標として、2008年に日本で開催する事になっているサミット(主要国首脳会議)を関西に誘致したいと考えています。大阪の元気∞関西の魅力≠世界に強くアピールする絶好の機会になる事はもちろんですが、関西国際空港並行滑走路の2007年供用開始、2008年北京オリンピックなどとの相乗効果で東アジア全体の元気に大きな弾みをつけ、 アジアの中枢都市≠ニして、ふさわしい責任を果たしていく事が出来ると考えております。
 平成17年度予算案は、このような認識のもと、「財政再建」と「大阪再生」をめざして編成したものです。
 「大阪元気に弾みをつける予算、民の力を最大限引き出して地域づくりを進める予算、19年度危機を乗り越えるために勝負を賭ける予算」であります。
  それでは、議案中、特に重点を置いたものなどに触れながら、今後の府政運営に関する所信の一端を申し述べます。
 1点目は産業の再生と雇用の創出です。
 大阪経済の回復の動きを大企業中心から中小企業の隅々にまで深く浸透させ、本格的なものにするため、引き続き、大阪産業の要である中小企業の再生を進めます。
 年間1兆円規模の資金供給の実現をめざす「中小企業等金融新戦略」の本格的な展開を進めてまいります。中小企業の成長性等を的確に評価して資金供給する「成長性評価融資」制度を新たに創設します。保証機能の他、販路開拓や技術開発などの事業支援機能も備えた実施体制を確立し、挑戦する中小企業≠力強く支援してまいります。また、昨年11月より試行的に実施しております「債権プール型部分保証制度」の拡充や災害等緊急対策を含めた制度融資の充実などにより、引き続き、中小企業の多様な資金ニーズに積極的に備えてまいります。
 
(3面へ続く)

発行所:大阪ジャーナル