平成17年5月1日号
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 中小企業新事業活動促進法の施行 新連携を支援
   複数の業者が異なる事業分野で融合 近畿経産局

  近畿経済産業局は4月13日から施行された「中小企業新事業活動促進法」に基づく施策を展開するため、局内に新連携振興室(室長・玉野直毅氏)を設置。また、新連携(認定企業)にコミットする新事業支援地域戦略会議(事務局・大阪市中央区、06・6910・3866、政府系民間金融機関、各種支援機関、学識経験者で構成)も活動を始めた。
  この促進法は、使いやすさ、判りやすさを追求し、創業・経営革新などに関する従来からの施策(創業・経営革新)を整理統合。新たな動きである新連携に対する支援を追加し、施策連携全体を骨太化したもので経済活性化・地域再生につなげていく。
 新連携支援とは、経営資源の限られる中小企業で「強み」を相互に補完しながら中小企業が他者と連携することを後押しし、市場化・事業化につながる取り組みを支援するもの。これは複数の事業者が異なる事業分野で蓄積したノウハウ・技術などの経営資源を持ち合い、それらを融合することで初めて可能となる事業活動、新たな需要開拓を行うグループを指す。新連携計画に取り組めるのは国「地方支分局」の承認を受けた者が対象。(国の全体予算41億円)
 これらのスキームをみると、国の補助率は3分の2→コア企業(連携して行う事業の中心となる中小企業=企業組合、協業組合を含む)→提携予定者(企業、研究所、組合、支援機関など)の流れとなる。
 具体的には▽専門知識や高度な技術を有しながら具体的事業化を図る中小企業が、自己の優れた機能(マーケティング、商品化など)を持ちより、他者(企業、研究機関、NPO、組合など)と連携構築する取り組みを支援。具体的には、連携構築に資する規定の作成、コンサルタントなどの係る経費を補助する。
 ▽異分野連携新事業分野開拓計画(新連携計画)の認定を受けた連携体が行う事業に必要な新商品開発(製品・サービス)に関わる実験、試作、連携体内の規定作成(工程管理マニュアル、共通システム構築など)、研究会、マーケティング、市場調査などにかかる経費を補助するーなど。
  こうした新連携試作の強化は、わが国経済社会の劇的な構造変化に対応するのが狙い。グローバリゼーションの進展と市場競争の激化、先端分野の目覚ましい技術革新や、少子高齢化と人口減少の到来、環境・医療・福祉分野など社会的要請の多様化と需要の増大を図る。
 現状における市場環境の変化と中小企業が取り組む課題としては、@ビジネス時間軸の短縮化に対応したスピード経営の必要性A系列にとらわれない機能発注への対応向上の必要性B技術・ノウハウのすり合わせを通じた高付加価値の実現・多様な需要への対応の必要性C投資におけるリスクマネージメントの一層の必要性Dコアコンピタンシーへの特化ーなど。
 こうした新連携計画の認定・選定・新事業のプレイアップについては、「新連携支援地域戦略会議」(地域を代表する企業、政府系金融機関、民間金融機関、大学など学識経験者や技術専門家、マーケティング専門家などで構成)の果たす役割も大きい。単なる批評・評論ではなく、新連携プロジェクトを磨き上げ、連携支援者が当該事業にコミット。事業化までを専門家がフォローアップすることになっている。
  事務局では、ビジネスに精通し、様々な支援機関などとネットワークを持ったプロジェクトマネージャー(商社、金融機関、メーカーでの実務経験を積んだ者や、経営コンサルタントなど)が活動する。有望案件については、専門家(金融機関、会計士など)からなる「個別支援チーム」を結成し、事業を創出していく。
 新連携認定の手続きについては、最寄りの事務局などに問い合わせればいい。この場合、申請書を国の地方機関などの申請する前に、まず相談(対象者の要件、新連携計画の内容、申請手続・窓口・支援措置など)相談し、申請書提出の受付後、審査が行われる。
  審査はビジネスに精通した事業評価委員などによる審査を得た上で、新連携計画を認定し、支援措置などを行う。計画開始後、戦略会議の案件ごとの特別支援チームにより、計画の進捗状況調査など手厚いフォローアップをし、事業化・市場化まで支援する。新連携融資については、認定を受けた新連携プロジェクトに参画する個別企業の返済能力に加え、新連携プロジェクトの評価を加味される。
  現存する新連携事業の実例を見ると、複数の大学・産総研・公設試の新技術と冷間鍛造ホーマ・金型製作・ 熱処理・メッキ・機械加工6企業の技術連携で自動車部品を一度に中空段付成形する世界初のワンショット工法を構築。自動車以外の航空機・産業機械などの新分野に進出、海外大手自動車メーカーへの市場拡大につなげていく。
 また、ベンチャーの土壌がある地域の技術(メカトロ開発・数値データ解析・鍛造・表面処理・3次元・精密微細加工などの企業)を結集したマイクロモジュール(試作品)の製造。市場最大ニーズの機能発注に対応。2時間以内の高速レスポンスなどが注目される。
 問い合わせは、近畿経済産業局中小企業課・新連携振興室(電話06・6966・6054)へ。

発行所:大阪ジャーナル