平成17年8月1日号
2ページ

  


<1面から続き>

08年関西サミット誘致へ警備体制を英国サミットに学ぶ
知事会の議論は「小異を捨てて大同につく」点で大進化


それで、7月7日にそういう状況の中で、8時50分、ロンドンでテロが起こりまして、 ちょうど私はその時、エディンバラにすでに移動し、エディンバラのグレンイーグルズというところ、これは村なんですが、この村を所管している州であります、パース・キンロス州という州をお邪魔いたしまして、その責任者の方にお話を伺っている最中に、ロンドンでテロが起こったという事を知りました。7月7日の10時20分ぐらいの時刻だったと思います。
 向こうも急に緊張されまして、それまではかなり余裕を持ってお話をされていたんですが、その時に何か起こったな、という感じがいたしまして、同時に私どもも、電話連絡でロンドンでのテロを知ったわけでありまして、本当に30分ぐらい経ったところで、まだ聞きたい事は沢山あったんですが、早々に切り上げて、その州の事務所を後にしたというのが実際のところでございます。
 その後の状況は、当初の予定通りミュンヘンに移りました。ロンドンを経由して帰国前にもう一度ロンドンに帰る予定に安全の面で躊躇した時期もあったのですが、もう一度ロンドンに寄って、ロンドンの様子を確かめ、そして帰国するという道を選びました。ロンドンの市民は、何時何んどきこういう事が起こるか判らないという事が身にしみて判っている方々で、もちろん、不安は充満していたと思いますが、エリザベス女王がおっしゃったように、普通の生活をする、普通の生活を続ける事が、テロという暴挙に対する我々の答えであり、メッセージだという事をおっしゃって、1日も置かずに病院に行かれて、被害に遭われた方々をお見舞いされた姿をテレビで見ました。
  テロに屈しない姿勢というものが市民の間に行き渡っていて、そして通常の生活をされているなという事がよく判りました。
  ちょうど7月9日でしたか、キングスクロスの駅を再び訪れまして、再びというのはエディンバラに行く時に、キングスクロスの駅をちょうどテロの起きる1日前に通っておりますので、またその地を訪れまして、ロンドン市民の皆様方と一緒に亡くなられた皆様方への哀悼の意を表するという意味で献花をさせて頂きました。
 いろんな経験を通じて思いましたのは、キングスクロスでは、貧困に立ち向かおうという人たちや、環境問題を訴える人たちが、何万人も集まってデモをしておられた。ロンドンではパキスタン系のイギリス人が犯人だという風に伝えられておりますけれども、そういう方々によるテロがあったという事で、サミットという事をやるからには、首脳をお守りする事はもちろんの事、その他の、あるいはそのサミットが開かれる国の象徴的な地域の市民を、テロその他から守るという事が大変重要だという事を痛感したわけであります。
 これに対して、私どもは関西へサミットをという事を、今年の初めから申し上げているわけですが、私としては引き続いてこのサミットの誘致について頑張りたいと思っております。
 こういう事件が起きますと、府民や市民の皆様方の理解を得る形で、つまり安全と両立する形でのサミットの成功という事が、自信を持って出来る形でなければ誘致の開催プランも示せないわけでありますから、私としては出来るだけ早く警備最優先ではあるけれども、大阪からあるいは日本からいろいろな発信の出来る形での開催プランを示したいと思っておりますが、今議論しておりますのは、中之島です。中之島は皆さんご存じのように、周囲を堂島川と土佐堀川に囲まれた島であります。島という利点を生かしてきちんと警備をする事によって、セキュリティーが万全のサミットを誘致する事にしてはどうかと考えております。
  中之島は周囲が5・6キロありまして、グレンイーグルズの周囲8キロよりは少し短いんですね。その中に、ご承知のように国際会議場、ホテル等があってヘリポートも9つあります。
 今回、グレンイーグルズで判りました事ですが、各首脳は、まず空港に来て、そしてその空港からヘリポートで当該地域に行く。奥様方も来ておられるんですが、そのヘリポートからまた他のヘリポートに行って「奥様プログラム」をこなす。こういう事でして、とにかく安全優先なんです。大都会で開く場合に全部ヘリコプターというわけにはいかないと思いますが、私は何度も皇族の皆様方に随行するという事を含めて、この中之島、それから大阪城公園といったあたりは高速道路の出入口に大変近い。大体3分もあればホテルから出て高速道路に乗れる。高速道路は当然のことながら、全て一般通行車両が入って来るのを禁止にしておりますので、そういう形で、私はヘリポートと高速道路を活用するという事で、中之島を中心とした関西サミットの開催プランというのは安全優先型で開催出来るのではないかと思っています。
  もちろん、そこだけで面白くありませんから、大阪城公園の施設の活用等も含めて、首脳の皆様型に、大阪という街を一つ楽しみながら、安全で、そして有意義なサミットを開催して頂けるように考えていきたいと思っております。
  大阪は市民、府民の意識もAPECの時とは大分変ってきまして、平成14年以降、安全なまちづくり条例のもとに、自分たちの地域は自分たちで守るという機運が高まり、またそのためのシステムも地域と行政と警察とで、がっちり作られている最中でありますから、2008年、今申し上げたようなサミットが開催出来る日本で唯一の地域ではないかと、このように私は考えておるところであります。
 先週の知事会については、すでに報道して頂いておりますので、多くは申し上げません。ただ感想として持ちました事を2点申し上げますと、1点は昨年の新潟サミットの時に喧々囂々の議論をして、小異を棄てて大同につくという事を確認したわけですが、今年の徳島サミットは進化する知事会という事で、小異を棄てて大同につくという部分についても進化をしていて、もちろんいろんな議論は、出ましたけれども、最後はまとまるという事について異論はなかったという事は、非常に良かったと思います。
  それから、もう一つは郵政民営化の議論で日本中が、マスコミの皆さんを含めて、今、大変注目しておられますが、この三位一体改革の中には、例えば義務教育費国庫負担金をどうするのかといった問題、さらには生活保護費を国から地方に補助率を引き下げる形で移譲するのかという問題があります。このように本当に国民の生活に直結する問題が含まれているわけですから郵政民営化後といいますか、それと並ぶ国政の論点として、きっちりと皆様方にも取り上げて頂きたいし、私どもは知事会をそういう形でアピールしていきたいと思っております。

(4面へ続く)

発行所:大阪ジャーナル