平成17年9月1日号
2ページ

  


<1面から続き>

 人口減少期に対応、安威川ダム事業縮小案決定
 事業費は120億円減少で府民の負担も最小化


  結論は今申し上げた2点ですが、この結論を導き出しました物差というか、基準は、今後の府民負担の最小化と共に、これまで投資してきた既存投資の有効活用、それから将来にわたっての府民の安全の基本である水の安定供給の確保、こういったあたりがこの結論を導き出しましたメルクマールといいますか、基準であります。府民の負担の最小化という事が基本ではありますが、今申し上げたように、大変長い期間を経てやってきた事業でありますので、考慮すべき要因がどうしても幾つかございました。それがその下の考慮要因として挙げてある事で、3点ございます。
  まず、安威川ダムについては、治水対策について早期に完成をしなさいというご指示を府の建設事業委員会のほうから得ておりますし、また、このダム自体が昭和42年以来計画されてきたという事ということで、この間、地元の方々にはいろいろなご協力も頂いてきて、生活再建対策も進めてまいりました。この面では生活再建対策を中心に、これまでの経緯を踏まえた対応というものが必要であるという事。安威川ダムについては、この二つが大事な点だと考えました。
  それから、紀の川大堰につきましては、すでに堰本体は完成いたしておりますから、これに関連したJRの付け替え工事など、関連工事に対する府の負担は不可避であります。府の責任としてやっていかなくてはならないという事がございます。これが紀の川大堰についての考慮点であります。
 さらに3点目として、安威川にしても紀の川にしても、利水をゼロにした場合でも利水者の撤退負担金が発生するという事、国に対して負担金が発生するという事、これが3点目でございます。このように、難しい連立方程式を解くような事ではございましたが、時代の変化、特に人口減少時代に突入するという入り口にあって、ぜひこの時代で府民にとっての最善の判断を、水源計画と安威川ダムの建設について行いたいという事で、今申し上げた考慮要因を考慮しながら、府民負担の最小化という事を基本に検討を重ねてきた結果、今申し上げたような結論を得るに至ったという事であります。
  ダム事業というのは、始める時も大変ですが、特に安威川ダムのような事例では、今申し上げたように昭和42年の北摂豪雨が機になって、多目的ダムとして計画をされたわけですから、昭和51年以降、長い時間と、大変なお金をかけてきております。ですから、今の時点で全てをゼロにするというキレイな解決方法というのはあり得ないわけで、そういう事から言いますと、見直すという事も大変大きなエネルギーがかかる仕事であります。
  全国の事例をいろいろ調べて見ましたが、計画があって途中で止めるという事は幾つかやられておりますが、このように、ある程度と申しますか、かなり工事が進んできている段階でこれを見直し、ダムを縮小するという事はあまり件数が多いわけではありません。私の知る限りでは岩手県の実例ぐらいしか頭に浮かばないんですが、それと同じような事を大阪府でもきっちりやっていこうという事にしたわけであります。
  安威川につきましては1万立法メートルという事で、全体の中に占める割合は、それほど多くないんじゃないかと、そう思われるかもしれませんが、実は府民一人当たり、1日に3リットルの飲料水が必要なんですが、これを前提に考えますと、1日に2万立法メートルの飲料水が必要になります。これを考えますと、安威川ダムの1万立法メートルと、そして紀の川大堰の1万立法メートルを合わせて2万立法メートルというのは、府民の1日の生活の糧である水を確保するに足りる「命の水」であるという気持を私は持っているわけであります。ですから、人口減少期という事ではありますが、水源の多様化という意味でのセキュリティーの確保という事は、私はこの時点でも諦めるべきではない、確保すべきであるという認識に立ちまして、この1・1・7という結論を現時点での最善の対応としてお示しする事にいたしました。府民の皆様方にはご理解が頂けるんじゃないかと期待しておりますが、これから9月議会でこの事をお話して最終的に決めていく事になります。
  これに伴いまして、このような決定が実現できるという事になりましたら、資料の右側のほうに書いてありますように、安威川ダムの規模も縮小される事になります。高さで言うと、82.5メートルから76.5メートルに、高さが6メートル低くなり、その分、山々がよく見えるようになる。それから水面の面積で言いますと、53ヘクタールから34ヘクタールに水面面積が減りますので、19ヘクタール分、陸地が除く事になるというわけであります。この陸地の部分については、地元からいろいろなご意見が出ておりますが、自然環境の再生という事を基本に、この19ヘクタールの所は生かしていきたいと今考えているところであります。事業費ですが、ダムの総事業費からいたしますと、1529億円から1409億円に約120億円の減。17年度以降の事業費からいたしましても約120億円の減という事になります。大変苦しい財政状況の中、120億円の削減を府民の利益にも合致しながら達成できるという事は、私にとって最善の判断という事のもう一つの大きな材料になっていると思うので、この点をよくご説明してまいりたいと思っております。いずれにしましても、公共事業見直しというのが時代の潮流です。これが全国の中でも良い事例となるように、前向きに受け止めて、これからの取り組みを進めていきたいとこのように考えております。
  二つ目はアスベストの問題についてです。
  前回の記者会見でも、国の対応は待っておれない、それぞれの地方、地域でやれる事をやるという事になっていくのではないかという事を申し上げましたが、案の定と言うとちょっと違いますが、このような選挙に突入した事もあって、国の対応は遅れるという事を前提に、私どもの対応を急いでいかなくてはならないと考えております。
 今回は二つ決定しました。一つは健康不安の解消するために緊急検診を実施するという事であります。大阪府にはアスベストを扱う工場が多く、心配をしておられる住民の方々が大変多くいらっしゃるわけですが、この方々に対する緊急検診を府が市町村に働きかける形で、今調整しております。
  最終的にどのような形にするのかという事は、今いろいろ調整中ですので、この場で全容をお示しするという事ではないんですが、府が市町村に協力をする形で、アスベスト被害で心配をされている方々の健康に関する問診と、できればレントゲンの直接撮影まで緊急検診としてやりたいと思っております。

 
(3面へ続く)

発行所:大阪ジャーナル