平成17年9月1日号
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柴田正己 戦争遺構研究会代表  

前大戦で我国唯一の陸上戦が展開された沖縄では戦争の
悲惨さを証明する貴重な戦跡多数、文化財として保全へ

 やっと沖縄の戦争遺構調査(10年計画)を終了した。学生時代に、初めて沖縄を旅行して、沖縄の自然・歴史・文化の素晴らしさに魅了されて40年近い歳月が流れた。沖縄の民家・近代建築に関心を持って県下を走り回った。那覇のRC造の武徳殿(昭和13年)、金武小学校(大正14年)、旧国頭小学校玄関部分(明治中期)、名護旧東江小学校(明治40年頃)などの保存の要望も続けた。そんな中で、沖縄の近代建築は、戦争を抜きにしては考えられない事も判った。
  他府県に比べて沖縄県は戦争関係の研究は進んでいる方であるが、戦争遺跡の保存については、一部の市町村を除いて進んでいないように思われる。我々から見れば第一級の戦争遺構が放置されている現況は残念でならない。立派な戦争遺跡の調査報告書、証言集などの出版と同時に、各地に残る貴重な戦争遺構の保全・活用を早急に進めて欲しいと思う。
 小禄の海軍司令部壕跡のように、首里城の旧第32軍司令部壕跡、南風原(はえばる)陸軍病院壕跡、旧読谷飛行場の掩体壕跡などを沖縄戦を雄弁に物語る歴史の生証人として文化財として保全・再生させて欲しいのである。
 沖縄県だけでなく、各地で多くの第一級の戦争遺構が放置されている現状は、日本の歴史認識のおかしさに原因があるように思えてならない。戦争に対していろんな考え方があっても良いが、歴史の事実を示す遺跡を正しく評価しないのは文化国家として恥ずかしい事である。
  歴史認識に対して外国からとやかく言われる事ではないが、戦争の歴史を正しく理解するためには戦争遺跡はもっと大切にされるべきだと思う。
 財政難を理由にして多くの市民の保存の要望を無視し、放置したり、取り壊すのは他に理由があるのではと疑ってしまう。
  調査の最後に、本部町谷茶の老人ホームで、沖縄戦のビデオ上映をさせて貰い、体験者から感想を頂いた。目に涙を浮かべてビデオを見られ、泣きながら感想を語ってくれたお年寄りたちの姿に胸が熱くなった。
  当時の事を思い出して、苦しい胸の内を話してくれた方々に感謝を申し上げたい。
 「戦争は絶対にしてはいけない。そのためにも沖縄戦を語り継いでいくべきだ。今の日本は戦前と同じで、恐ろしい」などの感想を頂いた。
 活動の一部はネットで「戦争遺構研究会」、「おおさかジャナール」で検索下されば幸いです。
★「当研究会の調査した戦争遺構」
@沖縄市知花の奉安殿、慰霊塔、A本部町旧謝花小学校奉安殿、谷茶の監視哨跡、渡久地神社の銃弾跡、東の慰霊碑の銃弾跡、伊野波の旧時報塔(昭和12年)、並里の旧時報塔(同11年)、機銃掃射跡が見られるRC造塀と並里神社の屋根、八岳の野戦病院跡、野比久原の旧海軍高射砲陣地跡、B今帰仁の運天港の旧魚雷艇壕跡、源為朝記念碑(大正11年)の機銃掃射跡、C南風原陸軍病院壕跡、D嘉数高地のトーチカ跡、壕跡、E首里の第32軍司令部壕跡、Fチビチリガマ、読谷旧掩体壕、G小禄の旧海軍司令部壕跡、H伊江島公益質屋跡、その他。
【写真】
 小禄の旧海軍司令部壕


05年衆院総選挙30日公示

       激戦大阪10区が注目   〜投開票は9月11日〜

  「刺客」だ「落下傘候補」だと先月8日衆院解散以来、猛暑に負けず、前哨戦もデッドヒートを展開してきた05年衆議院総選挙の公示が同30日行われた。投開票は9月11日。
  今回の選挙は自民党内部の内輪揉めが尾を引き、郵政民営化反対派の自民党造反組に対して、小泉首相は対抗馬を出馬させ、徹底的にせん滅を図るなど厳しい対決姿勢を貫いてきた。そのため反対派の綿貫民輔前衆院議長や亀井静香元政調会長らは新たに国民新党を結成、反撃に打って出た。同じく小林興起前衆議院議員も田中康夫長野県知事を代表に新党日本を結成した。造反組せん滅に送り込まれた刺客は女性がほとんどで、中には財務省のマドンナ・片山さつき氏、エコノミストの佐藤ゆかり氏をはじめ小池百合子環境庁長官の大物クラスも含まれている。さて、これら反対派と刺客組の勝負はどうなるのか、12日後明かになる。
  一方、大阪選挙区は19区に別れ、58人が立候補した。造反組の左藤章候補の2区には自民党候補として公募組の川条志嘉候補が名乗りを上げた。また最激戦と注目される10区では社民党から、執行猶予中の辻元清美氏が出馬。自らと党の再生を賭けて背水の陣の構え。迎え撃つ民主党の肥田美代子前衆議院議員、元自民党衆議院議員の松浪健太氏、共産党新人の浅沼和仁氏らも懸命の総力戦。
  19区では民主党前の長安豊氏に再起を目指す自民党公認の松浪健四郎元議員が挑戦する。松浪候補の出馬を巡っては一時、参院議員の谷川秀善氏の3男を公認申請する動きが出るなど自民府連内部に曲折があり、松浪氏が保守票をまとめきれるかが注目される。

発行所:大阪ジャーナル