平成17年9月1日号
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  15日「若手研究人材の支援シンポジウム」開催
        
〜大学発ベンチャーへの研究人材流動化方策〜

キャリアパス

  近畿経済産業局は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との共催で「若手研究人材のキャリア・ディベロップメント支援シンポジウム」を9月15日午後、大阪市淀川区のメルクOSAKA4階『ルイユ』の大阪会場で開く。若手研究人材の多様なキャリアパスの確立を目指すのが狙い。
  産学連携機関では、大学など研究と産業界の橋渡しを行う技術移転、知的財産マネジメント人材が圧倒的に不足。また、大学発ベンチャーも研究以外の能力も兼ね備えた即戦力≠ニなる研究人材の不足が大きな問題となっている。
 他方、意欲のある研究人材についてアカデミック・キャリアに限定せず、個々人がその高い科学の能力・志向に応じた多様なキャリアパスを構築できる環境整備を図ることが喫緊の課題で、若手研究人材のキャリア・ディベロップメントを推進するためにNEDO技術開発機構と近畿経済産業局が実施した調査報告、事例発表(4事例)を中心としたシンポジウムを行うことになった。
  大阪会場では、NEDO技術開発機構から「若手研究人材のキャリアエンジンに関わる調査報告〜産学連携の強化に向けた人材育成について〜」、近畿経済産業局から「高度研究人材のキャリアエンジン支援スキームの構築〜大学発ベンチャーへの研究人材流動化方策〜」についての調査報告と政策提案など今後の展開を説明する。
  4つの事例発表には、
  ▽「バイオベンチャーと研究人材」(ファーマフーズ取締役特許情報部長・東口伸二氏)▽「モラトリアムからの脱却〜
ベンチャー経営者への挑戦〜」(アイキャット代表取締役CEO西願雅也氏)
  ▽「コミュニティを活用した若手研究人材の育成・流動化支援(NPO法人KGCの取り組み)(NPO法人KGC理事長・柴田有三氏)▽「インターシップによるその後の進路〜伝える能力を研究者に(株)リバネスの取り組み」(リバネス代表取締役・丸幸弘氏)が登場する。
  調査結果によると、大学ベンチャーでは研究人材、その中でも研究以外の能力も幅広く兼ね備えた即戦力となる研究人材≠フ不足が大きな課題。求める研究人材にアプローチする機会が無い、コストの面から優れた人材獲得に関わる資金投与が難しい。OJTや社外での人材育成(MBA、MOT、民間講座の受講)に力を入れたいが、時間とコストの面で難しいといった点があげられる。
  研究人材においては「企業などでの研究への転職」、「研究以外の仕事への転身」などアカデミックキャリア以外のキャリアプランの必要性を強く認識している。
 また、将来のキャリアの選択肢の一つとして大学発ベンチャーなども考えており、研究以外の能力を高めるためのOJTやMBA・MOT履修などを通じた知識取得の意向も高い。
  しかし、ベンチャーに就職する上での条件、リスクなどの情報を得るツールが無い、研究以外の能力を身につけるためのOJT研修を受けたとしても、そこでの経験、スキルを評価するシステムが無いのが現状。

濃密なネット

  一部には、濃密なネットワークを構築し、研究人材の育成、評価の機能を合わせ持ったマッチングに取り組み、実績をあげつつある事例もあるが、大半の機関が事務系の人材を扱っているため、研究人材の登録が少なく、研究人材の意向、受け入れ側の大学発ベンチャーが求める人材のレベルなどの意向を汲んだきめ細やかなマッチングができていない。

資金投与困難

  大学発ベンチャーのニーズは、約8割が研究人材を求めている。研究人材に研究以外を求める職業としては「企画業務」「営業業務」など多岐にわたる。しかし、求める研究人材にアプローチする機会が無い、コストの面から優れた人材獲得に関わる資金投与が難しいなどの声が多かった。
  研究者ニーズは「企業などでの研究への転職」、「研究以外の仕事への転身」などアカデミックキャリア以外のキャリアプランの選択肢の一つとして大学発ベンチャーなども考えている。しかし、研究以外の能力を身につけるためのOJT研修を受けたとしても、そこでの経験、スキルを評価するシステムが無いのが現状。
  これらを踏まえ、大学発ベンチャーへの研究人材の流動化を加速するため、キャリアチェンジを図る意欲的な研究者を発掘。研究分野以外の幅広い能力を兼ね備えた「即戦力」としての育成を図り、その人材の素養、経験などを評価し、それを汲んだ形で適した大学発ベンチャーにマッチングさせる新たなシステムの構築が重要であると、政策提案(図参照)している。
  中間まとめによれば、研究人材がキャリアチェンジする際に求めるサポート機能としては「研究者のスキル、人物などの評価機能(課題克服支援機能など)が60%を超えたほか、「研究者自身の研究分野以外のスキルアップ支援機能」(55.0%)、「キャリアコンサルティング支援機能」(39.8%)、「OJT、インターンシップ支援機能「(31.9%)、「キャリアチェンジに関わる情報などのワンストップ機能」(24.1%)など、全項目でニーズが高い。
  問い合わせは近畿経済産業局産学官連携推進課(06・6966・6164)へ。

発行所:大阪ジャーナル