平成17年10月1日号
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キャリア教育プロジェクトが本格スタート
        
〜各地の企業や自治体と連携 近畿経産局〜

 近畿経済産業局は、先にスタートした八尾市、池田市におけるアントレプレナーシップ(起業家精神)教育事業に加え、さらに17年度から管内の3地域(大阪市・堺市・兵庫県内)で地域の資源を活用した「地域自律・民間活用型キャリア教育プロジェクト」(文科省・厚労省・経産省)が、本格スタート。小学生から高校生まで参加して各地の企業や行政が連携して盛り上げていく。
  アントレプレナーシップ教育はチャレンジ精神、創造性、積極性、探求心などを養うため、主に中学・高校の総合学習の時間を対象に地域の特色を生かしたカリキュラムを作り、若いうちから起業・地域産業への関心を高めるのが狙い。単に起業家を育てるための教育だけでなく、この資質・能力を育む深い目的を持つ。
  アントレプレナーキャリア教育プロジェクトとは、子供たちに働くことの意識、面白さを理解してもらうため、NPO、企業など民間主体を中核として、地元自治体や産業界との連携を図りながら平成17年度からモデル事業を展開。
  そのトップを切って9月29日、キャリア教育特区を取得した小・中一貫校「堺市立さつき野中学校」が地元の自転車産業に関する自転車企画の学習に参加(小学5、6年生、中学1年生計158人)した。
 テーマは「自転車企画、ケーブルテレビ用コンテンツ作成」。特定非営利活動法人 南大阪地域大学コンソーシアムがコーディネート。
  全国のトップシェアを誇る堺市の自転車産業の有力企業、(株)シマノからは「こんな自転車が欲しい」という商品を企画し、「プレゼンテーションせよ」というミッションがビデオレターで伝えた。キャリア教育特区は9カ年を見通したカリキュラム編成が可能で、同校の小・中の壁を越えたプロジェクトの成功事例に期待される。今後のスケジュールは10月自転車博物館見学、シマノの授業(自転車、部品を教室に搬入)、11月企画作成、知的財産権の学習や中間プレゼン、12月にはクラス内リハーサル、10作品を選び合同発表会、最終は企業、行政、教育委員会など招き、まとめの発表会を行う。
  一方、「園田学園高等学校」では9月30日、国際都市・神戸市に多い外資系企業の一つ、(株)ネスレスジャパンからの企画の依頼を受け、「同社のブランド商品キットカット≠bMを制作せよ!」に挑戦。同社のキットカット<uランドマネージャーを校内に招き、3年生16人(5チーム)によるプレゼン会を実施した。こうしたアントレプレナーシップ教育、キャリア教育の事業推進について、近畿経産局では、わが国経済の活性化と今後の国際競争力確保のため、新たな事業や企業の輩出が望まれる。そして新需要の創出と展開が生み出される社会に変革していく必要があり、わが国社会の未来の担い手となるチャレンジ精神溢れる人材育成が不可欠としている。
 近畿経産局がこれまで実施してきた主な事業事例を見るとー
  ▽平成14年度から主に総合学習の時間などに学校と協力して「アントレプレナーシップ教育」事業をスタートさせた。高槻市立川西中学校と兵庫県立西宮今津高等学校が参加。当時、(株)くらコーポレーション内で検討中であった米国西海岸への出店に関するマーケティング戦略を中心とした演習を実施した。
  2クラスがそれぞれ6グループに別れ、同社の6部門(店舗開発、人事、商品、広告宣伝、オープニング、教育)を担うという設定。そしてロサンゼルス出店の戦略をクラス全体がグループ別に検討。最終日に同社の田中社長を迎え、クラス全体の出店計画をプレゼンし、同社長の講評と講話で締めくくった。
  ▽15年度の起業教育モデル授業では、カリキュラムの時間数を拡大し、京都市立修学院中学校、東大阪市立小坂中学校、同志社香里中学校、初芝堺中学校、追手門学院大手前中学校、福井県立若狭高校、大阪府立春日丘高校、大阪府立松原高校の計8校で実施した。
 中学校では一例として「コンビニエンス・ストア」をテーマとし、現地調査や経営者からのヒアリングを行い、オリジナル商品の開発や未来型コンビニの提案を生徒が行った。また、高校ではセブン・イレブン・ジャパンを題材としてマーケティング戦略のノウハウなどをカリキュラムに反映させ、売れ筋商品の調査・提案などを生徒が発表した。
  ▽16年度の事業では「地域で育むアントレプレナーシップ=アントレプレナーシップ教育実践モデル都市構想」がテーマに特定の自治体と協力し、学校、教育委員会、産業振興部署、地元企業と連携し地域あげてアントレプレナーシップ教育に取り組んだ。
  地域の特性を生かしたカリキュラムを作成し、八尾市では2年全クラスが地元企業でモノづくりを職業体験したほか、回転灯・表示機器のパトライトから商品開発依頼があったと仮定して、チームで課題を解決。
 池田市でも職業訪問、商店街活性化策を考えるというテーマトレーニングを学習。学校と地域の結び付きが強まり、生徒たちの地域に対する関心が一層高まったことが確認された。
  問い合わせ先は近畿経済産業局・産業部創業・経営支援課(06・6966・6014)へ。

発行所:大阪ジャーナル