平成17年11月1日号
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  「晴天の霹靂」ー関淳一市長が先月17日夕、記者会見で突然の辞意表明を行った。市政改革に不退転の決意を見せていた同市長の辞意のニュースはたちまち流れ、「何んでやんねん」  とその真意をいぶかる声が上がるなど混乱の渦が巻起こった。昨年11月、阿倍野区役所で発覚したカラ残業をはじめヤミ年金・退職金など職員厚遇問題などの責任を取る形でいったん辞任し、出直し選挙で市政改革の信を問う決意を固めた。また関市長とともに、改革を主導してきた弁護士の大平光代助役も同日、関市長に辞職願いを提出し、受理された。公示は13日、投開票は27日。


知事定例記者会見

 関大阪市長突如辞任、「市政改革の信を問う」
    
出直し市長選挙′示13日、投開票27日

  記者会見で関氏は辞職の理由として、環境保健局長時代に関わった財団法人「医療事業振興協会」と民間の「芦原病院」への融資の回収が滞っている事、助役時代に所管していた水道局のヤミ年金・退職金問題、市長就任後の赤字第3セクターの相次ぐ破綻処理を上げ、重く責任を感じている。その上で改革に市民の信託が得られれば大きなエネルギーになると出直し選挙への意欲を強調した。
  選挙戦に向けては、与党会派の自民、公明、民主への推薦依頼を検討する一方、市労働組合連合会を中心とする「明るくすみよい大阪市をつくる市民連合」には支援を求めず、自らの後援会組織や市民団体を軸に運動を進める考えを示した。
  翌18日、正式に辞職届けを提出し、出直し選挙に再び立候補すると正式に表明した。これを受けて市議会与党各派は「改革マニフェスト案を真剣に議論してきた我々をないがしろにする話」「市長だけが責任を取り、議会は問題を放置したままとの印象を与えかねない」と怒りの声をあらわにした。だが辞任を認めなければ「守旧派」のレッテルを張られかねない、と結局与党三派のうち、自民、公明は紛糾の末、出直し選挙への出馬への対応を「辞職には同意するが支持か不支持かは白紙」と確認する事で会派をまとめた。先月24日になって、与党枠組みから「民主外し」を迫る自民は市職員労働組合との決別などを条件に同党が推薦する市長候補を公募し、関氏にも応募を求める案の検討に入った。民主は辞任をいち早く認めたが関氏が市労連の支援を受けないとの発言に戸惑いながら同氏の真意を見極めようと事態の推移を見守るようだ。共産は「関氏の改革は本物ではない。市民本位の改革を担う市長を誕生させるチャンスだ」とし、すでに対立候補を人選中。 
  一方、関西財界では、突然の事態に驚きを示したが、財界として後押ししてきた市政改革の続行を強く求める声が相次いだ。
  大阪市に独自の改革案を提言するなど応援姿勢を示してきた関西経済同友会の森下俊三代表幹事(NTT西日本社長)は「突然の辞任に大変驚いている。有識者メンバーとして一緒に改革を進めていこうとする矢先だっただけに残念だ。しかし、自らの改革姿勢に対する市民からの信任を得て、それを推進力に改革を断行していこうとする前向きなものである」と一定の理解を示した。また大阪商工会議所の野村明雄会頭(大阪ガス会長)は「市政改革の推進に対する関氏の並々ならぬ決意の表れでしよう」
  関西経済連合会の秋山喜久会長(関西電力会長)も「ご自身が進めてこられた改革路線を直接市民に問うために決断されたことと思います」と同様に理解を示した。
 府内の首長の反応は・・・
  貝塚市の吉道勇市長は「選挙が予算編成の時期に重なり、政治空白が生じてしまうのではないか」と批判的だ。全国市長会副会長で市長を9期務める大先輩。「市長とは市民や公共に対する最高責任者で、政治情勢がいかに厳しくとも職にとどまり、市政改革マニフェスト案を成し遂げるのが物の順序であり、筋ではないか。選挙についても大勝すれば、職員や議会各派へそれなりのインパクトはあるが、もし辛勝だったり落選したりすれば市政の停滞・混乱は避けられず大バクチだ」と強烈な批判。さらに池田市の倉田薫市長は「マニフェスト案まで示しておきながら、飛んでもない話だ。市議会はマニフェスト案に抵抗を示していない。案の信を問うための再出馬だとしても、有権者の過半数を超える信任を得られる事はあり得ないだろう」と同様批判的だ。
  一方、評価するのは枚方市の中司宏市長で「政治家にとって辞職は極めて重い決断。苦労して考え抜いた末の判断だろう。市政改革にかける熱意と意欲の表れだと思う」と肯定的。
  だが、市民グループ「見張り番」の松浦米子代表世話人は「唐突の辞任は小泉首相流の手法を連想させ、裏に官邸の姿が垣間見える。自分たちの戦略を優先しているような印象で、市民の生活や職員の働く環境を考えているとは思えない。辞めるのであれば不祥事の発覚が続いた時に辞めるべきで、改革を始める前の辞職は中途半端だ。選挙をするのにも金がかかるし、対立候補に準備をさせる時間を与えないのも計画通りではないか。選挙を利用して、いかにもみそぎを受けたような印象を与えようとしている感じがする」と批判した。

発行所:大阪ジャーナル