平成17年11月1日号
3ページ

  


(282)

近畿に健康サービス産業クラスター形成へ
  同研究会≠近畿経産局に設置 事業支援
      
  近畿地域における健康サービス産業の振興に向けての関心が高まっている。10月、近畿経済産業局内に、産学官(自治体)で構成する「近畿健康サービス産業育成研究会」(座長、安川文朗・同志社大研究開発推進機構助教授、委員8人、ほかオブザーバー)を設置。管内で健康サービス産業が発展するための方策をはじめ、規制緩和の提言や調査研究のオーソライズ、各プロジェクトの情報交換など、具体的な支援策を検討し、健康サービス産業クラスター形成を目指す。
  同研究会の目的は平成16年5月、今後の政府の産業政策の指針として策定された「新産業創造戦略」に沿うもの。高齢化の進展の中でのニーズの広がりに対する産業群として、また、地域再生のための中核的な産業群として、「健康・福祉・機器・サービス」が位置づけられ、戦略的な対応が求められている。
  その国民の多様な健康ニーズに応える健康づくりを促していくためには、地域の幅広い分野の健康サービス産業が連携し、個人が求めるサービスを提供しうる体制を整備することが必要。
  また、産学官医連携といったコンソーシアム形式による体制は、企業の事業リスクを低減しながら受益者の信頼を確保し、効率的かつ効果的にビジネス創出が出来る。しかし、一方で各機関の役割や方向性の明確化、コーディネーターの不足といった課題の克服が必要で、まだ大きな産業に育つには至っていないのが実情だ。このため、近畿経済産業局では、これらの課題を明確にするとともに、戦略的に健康サービス産業を育成するための方策を検討するため「近畿における健康サービス産業創出・育成のための基盤整備などの在り方」調査を実施。今回の「近畿健康サービス産業育成研究会」で本調査における分析結果及び健康サービス産業育成策の検討を進めていく。
  今後、12月、来年2月に会合を予定。@前回議事録の確認・修正Aアンケート、ヒアリングの結果報告、育成するコンソーシアムのカテゴリー案に対する検討B18年度公募及び公募事業の紹介C来年2月にはカテゴリー別分析結果の報告D規制緩和の提言を含む、望まれる施策の検討E平成18年度公募内容の情報提供F次年度以降の研究会の在り方について討議する。
  平成17年度の「サービス産業創出支援事業」及び「電源地域活性化先導モデル事業」については、事業化支援プロジェクトが採決され、近畿管内でも5つのプロジェクト(健康4件、集客交流1件)が選ばれた。
  近畿経産局では、この結果を踏まえ、各プロジェクトの事業化を積極的に支援するとともに、近畿における健康サービスの実態把握、育成のための課題及び基盤整備の在り方を提示。このような取り組みを通して、健康サービス産業クラスターの形成を促進し、産業振興を図るとともに、人々が健康で安心して暮らせる地域社会を実現させる。そのためにも同研究会の果たす役割は大きい。
  経済産業省では、社会的ニーズが高く、市場の拡大及び地域再生の中核となる新産業として期待される。
  「健康サービス」(平成16年度から)と「集客交流サービス」(平成17年度から)の創出に向けて支援。
  平成17年度「サービス産業創出支援事業」、「電源地域活性化先導モデル事業」について、委託事業として新たな提案の公募を実施し、全国各地の374件(健康23件、集客交流232件)のコンソーシアムから応募があった。
  このうち、事業化支援プロジェクト(コンソシーアム基盤整備事業、コンソーシアム機能強化事業)として31件が採択・選択され、近畿地域でも55件(健康23件、集客交流32件)の応募の中から5件(健康4件、集客交流1件)が採択・選定された。
  近畿経産局管内で選定された17年度の5つのプロジェクトは、▽健康サービス事業として、「おおさか健・美わくわくプロジェクト」(基盤整備、大阪府)、「小児QOL向上事業」(機能強化、大阪府)、「眠りの森事業・睡眠健康サービス産業の展開」(基盤整備、滋賀県大津市ほか)、「フェニックスケア・基盤構築プロジェクト」(基盤整備、京都府)
  ▽集客交流事業として、「集客交流産業のための携帯コミュニケーション・プラットホーム構築事業」(基盤整備、京都府)のほか、事業化基本策定3プロジェクトを実施中。
  【健康サービス産業創出・育成のための基盤整備などの在り方調査】によると、近畿地域は健康関連分野で様々な特性やポテンシャルを有している。大阪北部や神戸の最先端医療機関の集積、製薬や化粧品関連の企業が集積する大阪市内、数多くの歴史文化財・散策コース・温泉地を有する京都・兵庫・和歌山などの観光地、USJや舞洲、海遊館などエンターテイメント施設が集積するベイエリアなどがあり、健康関連産業創出の環境が整っている。また近畿地域には事業化可能性の高い有望な健康サービス産業の芽が多く出てきており、ほかにも産学官医連携のもと、健康サービス産業に取り組む事例が近畿各地で見られるようになっている。それに自治体でも健康サービス支援の取り組みを開始している。
  問い合わせは近畿経済産業局産業部サービス産業室(06・6966・6025)へ。

発行所:大阪ジャーナル