平成17年11月1日号
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 大阪の文化、芸術の発展に尽くした人に贈られる平成17年度「大阪文化賞・大阪芸術賞」の贈呈式が来る3日・文化の日に大阪市中央区の御堂会館で行われる。受賞者は大阪文化賞に医学者の柏木哲夫・金城学院大学学長(六六)と化学者の芝哲夫・化学史学会会長(八一)、大阪芸術賞には植田紳爾・宝塚歌劇団特別顧問(七二)と芥川賞作家の宮本輝氏(五八)。受賞者には賞状と副賞百万円がそれぞれ贈呈される。同賞は1963年にスタートし、これまでに大阪文化賞、大阪芸術賞ともそれぞれ88件に贈られている。


平成17年度 「大阪文化賞」「大阪芸術賞」 表彰

  【大阪文化賞】 ・柏木哲夫 金城学院大学学長
            ・芝  哲夫 化学史学会会長     

  【大阪芸術賞】 ・ 宝塚歌劇団特別顧問 植田紳爾氏
            ・ 芥川賞作家 宮本輝氏



     
文化の日、大阪市中央区の御堂会館で授賞式、
受賞の4人へ賞状と副賞贈呈

【大阪文化賞贈呈理由】
  日本でのガン治療に関する医療技術の発展は目覚ましく、世界のトップレベルに位置していながらも、末期ガン患者に対しては延命治療のケアが主流であった。柏木さんは昭和48年、日本で初めて淀川キリスト教病院でホスピスプログラムをスタートさせ、同59年国内で2番目となるホスピス病棟を同病院に設立するなど、末期ガン患者が人間らしい人生を全うでき、患者や家族のQOL(クオリティーオブライフ)を高める事を援助するホスピス医療の確立に貢献している。
  同66年には全国ホスピス・緩和ケア病棟連絡協議会を発足させ、初代会長に就任した。ホスピス・緩和ケア病棟の普及、内容の改善に取り組んだ活動等により、平成17年9月現在、全国のホスピス、緩和ケア病棟は150を数えるまでになった。また、同5年からは(財)日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団理事長として、ホスピス・緩和ケアの質的向上のための調査・研究、関係者への技術的支援、広報活動、国際交流などを通じ、国内のホスピスケアの質と量を高める支援を行っている。
  同5年、大阪大学人間科学部教授、同16年、金城学院大学学長に就任し、後進の育成にも貢献している。
  このような同氏の活動は、ホスピスの必要性をいち早く提唱した先駆者として、後のホスピスの発展に大きな功績を残し、大阪の学術文化の振興に大きく貢献するものである。
【略歴】昭和40年大阪大学医学部卒。44年ワシントン大学精神科留学、47年淀川キリスト教病院精神神経科医長など歴任。16年現職。
【同】
  芝さんは昭和57年、「生体機能解明のためのペプチド、糖に関する有機合成研究」の成果が認められ、日本化学会賞を受賞し、最近細胞壁のエンドトキシンの構造を解明するなど、有機生物化学の分野で世界的な業績を挙げた。同63年から(財)蛋白質研究奨励会ペプチド研究所所長となり、 現在も生命科学に関係するアミノ酸・ペプチド・糖についての講演活動を行っている。また、大阪大学の適塾記念会の理事を務め、適塾建物の修理再建に貢献し、緒方洪庵とその門下生に関する業績の調査、研究、顕彰を続けている。
  また同時に、明治初年オランダ人化学者ハラマタ氏によって大阪に開かれた舎密局(せいみきょく)の歴史の顕彰を行うなど、大阪における蘭学研究を進め、日本とオランダの友好に尽くした功績により、オランダ王国よりオラニエ・ナッソウ勲章を授かるに至る。さらに日本の化学の始まりについての研究を行い、平成3年からは化学史学会会長に就任して、化学史の研究を続けている。
  このように、化学者として、また蘭学、適塾研究者として多方面からの調査、研究活動により近代科学史を解明した功績は、大阪の文化振興に大きく貢献するものである。
【略歴】昭和24年阪大大学院理学研究科修了、46年同大理学部教授、平成16年関西日蘭協会副会長。
【大阪芸術賞贈呈理由】
  植田さんは、昭和32年宝塚歌劇団に入団。同年12月「舞い込んだ神様」で演出家としてデビューした。
  当初は舞踊劇、狂言など小作品を多く手掛けた。同49年「ベルサイユのばら」が初演以来、平成13年までに上演回数1446回、観客総数356万人を記録する宝塚歌劇史上最大のヒット作となった。その後も「風と共に去りぬ」など大作でヒットを跳ばすドラマ作者として活躍している。
  これまで手掛けた作品は100本近くを数えるが、難解な素材を判り安くドラマチックにかつ華やかさのある舞台に仕上げる事に定評があり、数々の賞を受賞している。再演を重ね、時代を超えて多くの人々に愛される作品を作り出している。さらにニューヨーク、香港、中国など海外公演も担当し、優美で華やかな作品を通じ海外での文化交流にも貢献するとともに、宝塚歌劇団以外の作品も多く手掛けるなど、幅広く活躍している。

(6面へ続く)

発行所:大阪ジャーナル