平成17年12月1日号
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 出直し大阪市長選挙≠ヘ先月27日投開票され、前市長の関淳一氏(七○)=自民、公明推薦=が前民主党衆議院議員の辻恵氏(五七)、前市議の姫野浄氏(七○)=共産推薦=、無職の松下幸治氏(三三)の無所属新人3人を大差で破り、再選を果たした。カラ残業にヤミ退職金・年金など職員厚遇問題など市政改革の最中に「市民の信を問う」と自ら仕掛けた選挙戦で手堅く勝利を収めたが、結果は前回よりも9万票近く票を失い、投票率も過去4番目の低さ。市労連のしがらみこそ断ち切ったものの、自公の足かせは抱えたまま。「市政改革の公約」をどこまで実行出来るか。課題は山積だ。


出直し大阪市長選

   関淳一氏再選 
     だが得票減で求心力低下?

   「信任を得た」市政改革実行へ
      失った市政の信頼回復に全力


  27日午後9時過ぎ、当確の知らせを聞いて関氏は中央区博労町の堺筋沿いの選挙事務所に入り、開口一番「大阪市政を根底から改革する信任を得た。明日から早速全力で取りかかる」と語った。
 関氏は今年9月、今後5年間で7千人の職員削減や1100億円の公共事業削減など87項目にわたる市政改革基本方針案を発表し、「市民に信を問う」として任期を2年残して市長を辞任。出直し選挙に再度出馬した。
  ところが関氏の得票は27万8914票。.無所属新人で前民主党衆議院議員の辻氏の18万9193票、前市議の姫野氏の16万5874票らを振り切ったものの、市民約250万人の比率で言えば、わずか1割の信任を得たに過ぎない。しかも投票率は33・92%。前回に比べ0・61ポイント増とはいえ、労組の支援を断った同氏の得票は9万票以上も目減りしている。市民や市職員からも「これで果たして信を得たと言えるのか」と早くも同氏の求心力の低下を危ぶむ声も上がっている。
 その改革の要は財政再建だが「大阪市が一般企業なら、とっくに破産している」と市議の一人は指摘する。
  平成16年度決算によると、市の借金に当たる市債残高は約5兆5196億円。市民約250万人で割れば1人当たり200万円以上の借金を抱えている計算だ。
  大型開発事業も軒並みお手上げ状態で、土地信託事業などを利用したフェスティバルゲートは二次破綻し、大阪シティドームも会社更生法を適用申請。こうした事態に及ぶまで湯水のごとく公金をつぎ込んできた。
  識者の一人は「大阪市は多重債務者。放置すれば平成21年にも大阪市は政令指定都市初の財政再建団体に転落する」と指摘する。このようなピンチを関氏は足かせや圧力団体のゴリ押しをはねのけて大阪市を再生出来るか。手腕が期待される。
  祝福に駆けつけた太田房江知事は「多くの市民が関淳一氏の市政改革を支持したと思います。行財政改革や第3セクターの処理など、改革の断行を求める市民の声に応える事を期待しています。私も関市長と力を合わせ、大阪の再生や地方分権改革に全力で取り組んでまいります」と述べた。
  一方、敗れた辻氏は北区西天満の選挙事務所で「有権者の関心を呼び起こす事が出来ず、力不足でした。期待してくれた市民に責任を果たせず申し訳ないです」と語った。また、北区天神橋1丁目の姫野氏の選挙事務所では関氏再選の一報が流れると、「駄目だったか」と落胆の声が漏れた。姫野氏は「短期間で選挙の焦点を市民に理解して貰うのが難しかった」と敗因を述べた。さらに松下氏も落選が決まり、大阪市役所前で「投票率が低く、今後市政改革が進んでいくか、心配だ」と語った。
 関氏再選の報を受けた関西財界は27日、一斉に歓迎の談話を発表した。
 秋山喜久関経連会長は「関氏が自ら先頭に立って推進してこられた市政改革路線が改めて市民に支持された結果だ。経済界としても関市長の市政運営を最大限サポートしたい」と協力を表明した 。
  また、大阪商工会議所の野村明雄会頭は市政運営について「マニュフェストに沿った抜本的な改革を不退転の決意と信念を持ってやり遂げて欲しい」と注文した。
 関西経済同友会の森下俊三代表幹事は「市政改革路線に対する一定の信任を得たものと判断出来て喜ばしい」と述べ、さらに「市民の信頼を取り戻すためには、市政改革を大胆かつ早急に断行し、結果を出す事が重要である」と指摘した。
  関氏の略歴ー元助役・市環境保健局長、桃山市民病院副院長、大阪市大医学部講師。大阪市大医学部卒、大阪市出身。自宅は大阪市天王寺区大道2丁目。

発行所:大阪ジャーナル